コンヤのアヤ・イレーネ教会、現存する世界最古の教会
2024年08月27日付 Hurriyet 紙
コンヤの、5000年の歴史を持つシレ地区にあるアヤ=イレーネ教会は、世界に現存する最古の教会であると知られている。シレ博物館の責任者である考古学者セルジャン=ヤイラ氏は、この建物がビザンツ皇帝コンスタンティヌスの母ヘレナによって327年に建設され、1700年前のものであるとし、「正教徒に近しい人々はこの場所をより訪れる傾向があります。第一次世界大戦ではアヤ=イレーネ教会はトルコの初の整形外科医院として運営され、ここで木材から義足・義手が生産され前線に送られました。」と述べた。
コンヤ中心の北西部に位置し、5000年もの間に多くの文明を迎え入れたシレ地区には、数多くの帝国の歴史を物語る様々な痕跡がみられる。ルムの村としても知られる同地区に所在するアヤ=イレーネ教会というと、アナトリアで最初につくられた教会の一つであると知られている。1700年の歴史を持ち、修復が行われたあと博物館として訪問を受けるこの建物について情報を提供するセルチュクル自治体のシレ博物館の責任者である考古学者セルジャン=ヤイラ氏は、「現在のところ、世界で現存する最古の教会です。アヤ=イレーネ教会は、ビザンツ皇帝コンスタンティヌスの母ヘレナによって327年に建設されています。この教会は327年から1923年まで教会として運営されてきました。いかなる形においてもこの教会は歩みを止めず、第一次世界大戦の間に短い休止期間があるのみです。
第一次世界大戦時にはアヤ=イレーネ教会はトルコ初の整形外科医院として運営され、ここで木材から義足・義手が作られて前線に送られました。そこで人々はそれらをつけられたのです。人々が重症であればこのアヤ=イレーネ教会へ運ばれ、治療が行われました。第一次世界大戦後、アヤ=イレーネ教会は再び正教徒やキリスト教徒のための礼拝場所となりました。
1924年まで教会としての活動を続けていました。1924年以降はこの土地のキリスト教徒たちがギリシャに強制移住させられました。イスラム教徒たちはというと、ここで非ムスリムたちとの商業的なつながりをもっており、彼らも徐々に移住しはじめました。1924年以降アヤ=イレーネ教会の扉は閉ざされたのです。」と言った。
◾️「327年から2024年に至るまで存在し続けていることは重要である」
考古学者のセルジャン=ヤイラ氏は、教会がコンヤの中心部セルチュクル自治体の首長によって修復されたのち、博物館として訪問を受けていると説明し次のように語った。
「アヤ=イレーネ教会の修復は2009年に着工し、2012年に竣工しました。2012年から今日に至るまでここは博物館として運営されています。
訪問者たちへのガイドという点で内部で協力しています。博物館内ではフレスコ画が重要ですが、そのフレスコ画の意味について説明しています。様々な木製の品が博物館内にありますが、これらが何のために使用されていたのかを訪問者に伝えています。
アヤ=イレーネ教会は、歴史の目撃者という点で327年から2024年の現在に至るまで現存しており、おおよそ1700年の間の歴史の証人であるということは重要です。人々は訪問時に壁に手をあて、過去に想いを馳せたいのです。」
◾️「20万人がアヤ=イレーネ教会を訪れる」
アヤ=イレーネ教会の訪問者数について述べたヤイラ氏は、「私たちは多くの国内外の観光客を歓迎しています。ギリシャ、ブルガリア、ロシアから来る訪問者たち、正教徒の人々はよりこの場所を訪れる傾向にあります。
今日歴史の証人という点から重要な建築物です。これより先、多くの外国人観光客を迎え入れることになるでしょう。現在訪問者の数は見過ごせないほど増えています。今年も約20万人の人々がアヤ=イレーネ教会に訪れました。日を追うごとに増えています。
◾️詳細がわかると感動します
歴史的なシレ地区を散策にイスタンブルから訪れたアデム=エルダル氏は、シレについて事前には知らずに訪問したと述べ、「ここにも教会があるといわれました。訪れて少し中身を知ることができました。勿論この博物館の責任者であるセルジャン氏が説明してくれることで詳細がわかると感動します。世界で現存する教会であると学びました。」と話した。
ファトマ=エルカン氏もまたイスタンブルから博物館を訪れたと述べた。
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翻訳者:安孫子織絵
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