トラキヤ大学植物育種応用研究センター長、ヤルチュン・カヤ教授は、季節の通常の気温を上回る暑さによる生産への悪影響を防ぐため、小麦の播種を11月に行うよう提案した。
カヤ教授は、アナドル通信の特派員に対し、穀物の種まきは通常、9月末と10月に行われ、それが10月(トルコ語で種まきと同様にEkim)の名前の由来であったと語った。同教授は地球温暖化の影響で冬が短くなったと話し、「以前は11月は冬だったが、今では冬は12月から2月の3か月に減った。10月はもう種まきの時期としてお勧めしない、なぜなら深刻なことに、冬が以前よりも寒くないからである。特に秋と12月は。もし、10月に種まきをすると、11月は暖かいので、植物が夏や春の気候だと勘違いし、成長し続けてしまう。」と述べた。
■10月を『種まきの月』とは言えなくなった
カヤ教授は、昨年トラキヤでは11月までに期待された降水がなく、これによって苗床の準備が困難であったと話した。今年は降水とともに土地が種まきに適した状態になったが、種まき後の湿った地質と暖かい気候により、小麦はすぐに成長してしまうと説明し、以下のように述べた。
「その後は通常の冬が来ないため、さらに成長し続けてしまい、より成長した状態で冬を迎えることになる。小麦が大きくなりすぎると2つの問題が出てくる。湿度や気温が高く、さらに雪の降らないときは、植物に害虫や病気が増殖し、病気をもたらす危険性が非常に高い。
雪が降らず、霜が降りる、つまり氷点下になると植物は大きく成長し、水を多く含んだ若葉も成長する。そうなれば早く成長してしまった葉の凍結により損失も多くなる。このため、過去10年間の経験の中で地球温暖化の影響をより感じるようになり、当然のことながら10月を『種まきの月(ekim ayı)』とは言えなくなった。」
カヤ教授は農家に、これに応じて作付け時期を変えるよう助言した。カヤ教授は、11月初旬から、遅くとも中旬に小麦を植える方が生産性の観点で有益であることを述べ、「特にトラキヤ地方でこれまでに得た経験、観察、研究により、より良い作付けを行い、より良い生産、さらにはより多くの収穫を達成できると考えている。」と話した。
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翻訳者:大屋千寛
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