レバノン:日々爆撃にさらされるダーヒヤ地区の住民たちの生活(5)

2024年10月16日付 al-Mudun 紙

■戦争と「戯れる」ダーヒヤ地区の住民たち:がれきと隣り合わせの「通常の」生活

【本紙:ファラフ・マンスール】

マンシーヤ街区では、ムハンマドさんは「ムルーク・ハディーサ」(新たな王たち)という肉屋を所有しているが、破壊は街区全体だけでなくこの肉屋にもおよんでいる。しかし、ベイルート市およびその郊外部での家賃高騰の影響により、彼は肉屋を開け、顧客への配達サービスを始めるよう促された。彼は同紙に対し、「我々はこの地域に2店舗所有していますが、2週間にわたって完全に閉めており、ベイルートで借りる店舗を探していました。ただ物価がとても上がっているため、もとの地域へ戻って肉屋を開くことを決めました。しかし電力が必要だったので、設備を稼働できるように店に太陽光発電の装置を設置しました。お客さんにSMSで配達サービスがあることを伝え、今日はバアブダー市とベイルート市にいるお客さんの注文に応えて小さい羊を捌きました」と語った。

同様の文脈で、南部ダーヒヤ地区にサロンを所有する美容師のジャミール・バズィーさんは、ムドゥン紙に対し店へ戻ることを決めた理由を次のように語った。「お客さんと連絡を取り、サロンを開ける決定を伝えました。お客さんを受け入れるのは一日のうちの特定の時間だけですが、激しい空襲が始まると、我々は翌日までこの地域を離れます」。さらにバズィーさんは、「お客さんのなかには店までやってくることを了承してくれた人もいます。ベイルートやその郊外での床屋の価格は南部ダーヒヤ地区での価格と比べて上がっており、住民たちは日々の出費を減らそうとしています」と続けた。そして彼は、「先週木曜日からの数日、この地区にだんだんと活気が戻ってきました。住民たちは自宅から必需品を運び出そうとし、店主たちは商店を開けようとしたので、私もお客さんと私の店へ来る時間について合意し始めました。戦争は長く続きそうですし、我々はその終結を待ちながらこの状況と共存しなければならなそうですね」と付け加えた。

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翻訳者:大森耀太
記事ID:58898