先週、国際刑事裁判所の幹部検察官がハーグの同裁判所に対し、「戦争犯罪」、「人道に対する罪」および「軍事目標を推進するための手段として民間人を飢餓に晒した」容疑でイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とヨアブ・ガラント国防大臣の逮捕状を請求した。
◆執筆者:モハンマド・エスマーイーリー/国際問題専門家
国際刑事裁判所がこの2人の逮捕状を発行するのに1年遅れたことは、国際的な場で活躍する弁護士たちの心に、延いては世論に、以下の懸念を抱かせている。すなわち、国際刑事裁判所の3人の判事団(レイネ・アラピニ・ガンスー氏、ユリヤ・モトク氏、ニコラ・ギユー氏をから成る)は逮捕状を発行する代わりに、「裁判所には権限がない」、「戦争地域に人道支援物資を送ることから生じる課題を考慮すると、飢餓に晒したという戦争犯罪の疑いを立証することは困難である」などといった根拠のない主張をしてシオニスト政権当局を無罪にするのではないかとの懸念を抱かせているのである。イスラエルは国際司法裁判所(ICJ)においても、南アフリカ政府により提訴された「ガザにおけるジェノサイドの罪」の容疑で係争中の案件を抱えており、これに関する最終的な判決はまだ下されていない。
ロヒンギャのムスリムに対するミャンマー政府の大量虐殺問題「ガンビア対ミャンマー(アウンサンスーチー)事件」とイスラエルによるガザ・レバノンのムスリムに対する戦争犯罪とジェノサイドとの間には違いがあるにせよ、法的には両事件に共通点があると言えよう。つまり、スーチー氏の運命がネタニヤフ首相を待ち受けていると考えられるのである。イスラエルの事案に関して起こっているのと同じことがミャンマーおよびその国家元首によるムスリムの大量虐殺においても起こったのであり、それ故最近の事件[イスラエルの事件]について二つの裁判所(国際刑事裁判所ICCと国際司法裁判所ICJ)のいずれにおいても調査が進められているのである。
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翻訳者:LJ
記事ID:58903