Abdulkadir Selviコラム:PKK本部 vs. オジャラン

2024年11月01日付 Hurriyet 紙
PKK(クルディスタン労働者党)本部は「オジャラン氏の命令は我々の命令だ」と述べた。「オンデル・アポ(「指導者オジャラン」の意)」と名乗り活動の号令をしていた。

いつだったかオジャラン氏は、テロの終結とPKKの解散に関する責務を主張するメッセージを発した。PKK本部ははぐらかしをし始めた。このようにして「恥ずかしい現実が明るみになった」。PKK本部が集団を動かすためにオジャラン氏の名前を使っていたことがわかった。

■オジャラン氏のメッセージ

MHP(民族主義者行動党)のデヴレト・バフチェリ党首の呼びかけの後、シャンルウルファ県選出のDEM党所属オメル・オジャラン議員が10月23日にイムラル島を訪れオジャラン氏と面会した。オジャラン氏は、甥を介して発信したメッセージで、新しいプロセス下で役割を演じることができると述べた。オメル・オジャラン議員によると、オジャラン氏は「状況が整えば、この対立に満ちた暴力的なプロセスを法と政治の領域に持ってくるための理論と実践の力を私は持っている。この力が私にはある」と述べたということだ。

オメル・オジャラン議員によるイムラル島訪問の後、オジャラン氏のメッセージがDEM党とPKK本部に届いていても不思議ではない。

■PKK本部はごまかしている

MHPのバフチェリ党首による衝撃的な呼びかけを受け、エルドアン大統領がバフチェリ党首を強力に支援し、オジャラン氏がイムラルから発したメッセージの後、テロの終結とPKKの解散に向け強力な基盤ができたところで、PKK本部は武装解除を避けるためにあらゆる関心を引く行動をとり始めた。

■ドゥラン・カルカン氏の声明

PKKの重鎮の1人であるドゥラン・カルカン氏は、オジャラン氏が武装解除を唱えようとも武器は手放さず、PKKはテロ行為を継続するという方向の声明を発した。

ドゥラン・カルカン氏は新たな条件を主張した。「全てはオジャラン氏の身体的自由に関連する。これが実現しない限り、いかなる具体的な進捗も起こらない。戦争があり、それは続いており、終わっておらず、束縛するものも妨害するものもなにもない」と述べた。

では、イムラルの命令はあなた達の命令なのか?PKKは自分たちの活動にオジャラン氏の名前を使っている。「オンデル・アポ」と言っている。しかし、武装解除の話になるとオジャラン氏の呼びかけに対して耳を閉ざしている。PKKは以前の解決プロセスでもこのようなことをしていた。オジャラン氏は2013年のノウルーズに武力闘争の終結を宣言したが、PKKはコバニでの事件やヘンデキでの戦闘を始めた。

■新しい条件を主張

カンディルのPKK幹部は再びオジャラン氏の試練に直面している。オジャラン氏が「状況が整えば、この対立に満ちた暴力的なプロセスを法と政治の領域に持ってくるための理論と実践の力を私は持っている。この力が私にはある」と述べた一方、ドゥラン・カルカン氏は「本当にオンデル・アポに役割を担ってほしいのならば、問題の状況、重要な事柄に取り組まず、無駄骨を折ることを望まないのならば、特別な戦いの戦術を立てないのであれば、その時は適切な条件を作り出すべきだ。他のことはありえない」と述べ、新しい条件を主張した。この段階でオジャラン氏はそのような要求はしていなかったという状況下でだ。

■TUSAŞへの攻撃を祝福

MHPのバフチェリ党首が「オジャランよ、来るがいい。大国民議会で、DEM党で呼びかけるがいい」と述べ、「条件付き釈放の権利」に言及し、エルドアン大統領は「歴史的な機会」と評価し、43ヶ月ぶりにオジャラン氏との面会を実現したという状況で、PKKのテロリストがTUSAŞに対して行った攻撃は新しいプロセスを妨害するものと評された。PKKは、かつて解決プロセスで同じことをしたように、新しいプロセスを妨害した。

PKK幹部のドゥラン・カルカン氏は、5人の市民が死亡したTUSAŞへの攻撃を祝福する声明を発した。「TUSAŞへの作戦は軍事的な観点からは成功だ」と述べた。

■テロリストへの称賛

ドゥラン・カルカン氏は、TUSAŞで5人の市民が死亡したPKKのテロリストによる攻撃を称賛し「作戦を実行した同志アスヤ・アリ、ロジャー・ヘリンを、尊敬と愛と感謝を持って偲ぶ」と述べた。

■オジャラン氏のライバルはPKK本部

これらすべてのことに私はなぜ言及したか?カンディルのテロリストの首領によるこの態度は不思議ではない。しかし、オジャラン氏がもしも新しいプロセスで役割を担いたければ、「条件付き釈放の権利」に言及し大国民議会でDEM党メンバーとしての演説を勧めた政治的な命令があり、一方では自身をイムラルに生き埋めにするという決定をPKK本部が下している。 

これらの声明が示しているように、オジャラン氏の最大の障壁はPKKなのだ。

オジャラン氏の本当のライバルはPKK本部だ…。

■オメル・オジャラン氏「オジャランの力を強めるべき」

PKK本部は一方では新たな条件を主張し、もう一方ではTUSAŞへの攻撃のようにプロセスを妨害するような行動を続けており、イムラルを訪れオジャラン氏と面会したDEM党所属・シャンルウルファ県選出のオメル・オジャラン議員は「オジャラン氏の力を強めることに全力を注ぐべきだ」と述べた。

■メッセージはとても明快

同時に、オジャラン氏の甥であるオメル・オジャラン氏は、テロ組織の報道機関でオジャラン氏のメッセージを評価した。

オメル・オジャラン氏は「オジャラン氏のメッセージは非常に明快だ。『状況が整えば、この対立に満ちた暴力的なプロセスを法と政治の領域に持ってくるための理論と実践の力を私は持っている。この力が私にはある』と言っていた。市民や政治家はこの枠内で、オジャラン氏の力を強めることに全力を注ぐ必要がある」と述べた。

オメル・オジャラン氏は、オジャラン氏の力を強める必要があると言っている。しかし、PKK本部もDEM党も反対に、オジャラン氏の呼びかけを妨害するような政治を支持している。

■オジャラン氏の支持者はどうする?

この盤上で、DEM党とPKK本部の内部でオジャラン氏の描いた筋書き通りに動く人はどうするのか?沈黙を保つのか、行動に出るのか?


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翻訳者:神谷亮平
記事ID:58982