レバノン:クリスマスのミサで司教が自動小銃を携帯

2024年12月26日付 al-Quds al-Arabi 紙

■司祭がクリスマスに自動小銃を携帯しレバノンで懸念をかき立てる…教会はこの司祭に警告

【ベイルート:本紙】

マトン地区マズラアト・ヤシューア村にある聖マロン教会の信徒らは、主任司祭のワリード・マッラーフ氏がクリスマスのミサに、祭服の上から自動小銃を肩にかけて入場したのを見て驚いた。その後司祭は、武器を捨てる必要性を説く説教を行い、終盤で銃を床に置き、「私たちがキリスト教徒であるなら、敵はいません。私たちの武器は十字架です。私たちは戦争や利益ではなく、博愛と赦しによって勝利するのです。イエス様がご自身の武器にすがったように、自分たちの武器(十字架)にすがるキリスト教徒になりなさい」と語った。

しかし、多くの憶測があるなか、この光景はSNS上で議論と懸念を引き起こし、マロン派アンテリアス教区の関係者が釈明文を発表し、この司祭に対して警告を行うこととなった。

同教区の広報局は声明で次のように述べた。「まず教区は、司祭が採用した方法に同意しておらず、こうした行動を繰り返さないよう彼に文面で警告を行った。ただ説教の内容については同意しており、それが教会の教えや精神的・牧会的指針に沿ったものであると認めている」。

「次に、司祭が行ったことは、信徒の武器は十字架であるということに焦点を当てた説教のなかで用いられた演出の一部に過ぎない。またこの司祭は、信徒らの前で武器を置き、他者を破壊するすべての武器を捨て、十字架という唯一の武器、すなわち博愛と慈悲という武器にすがるよう呼びかけた」。

「最後に、特に愛する祖国レバノンが直面している緊張した情勢や例外的な状況を鑑みると、教区はこの問題に宗派的要素が加えられず、これが一部の人々によって宗派的対立や憎悪を煽るために悪用されないことを願っている」。

「後略」


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翻訳者:大森耀太
記事ID:59356