■カタールのガスがシリアに到着:電力供給が4時間に延長
【本紙】
カタール国はヨルダン経由でシリアへ天然ガスの供給を開始した。これはカタールのタミーム・ビン・ハマド・アール・サーニー首長の指示のもとで、シリアの電力不足による窮状を、1日3時間から4時間(の供給)に改善することを目的とした措置である。
400メガワットの発電
シリア配電公社のハーリド・アブー・ディー社長は、カタールのガスがシリアのガス網に到着し始めており、タービンも稼働し始めていると述べ、200万立方メートルの量が毎日ガス網に届くことになると説明した。
アブー・ディー氏はウェブサイト「首都の声」への声明で、この量は毎日400メガワットの発電を可能にすると付け加えた。またこれらの供給は、ダイル・アリー発電所やナースィリーヤ発電所といった複数の大規模な発電所に及ぶ予定であると説明した。
同氏はダマスカス郊外県にあるダイル・アリー発電所について、シリアの近代的な発電所のひとつであり、その1つのタービンで200メガワットが発電でき、第二基内にある2タービンにより400メガワットが発電できると指摘した。
4時間の供給
アブー・ディー氏は、シリアの全県における電力供給の状況が1日あたり3時間から数時間にまで改善されると予測している。またカタールの支援は更新可能なものとして、3か月継続される。
シリア当局者である同氏はさらに、電力状況を改善するために、発電所に関するさらなる計画があると指摘した。
先週木曜日、カタールはタミーム・ビン・ハマド・アール・サーニー首長の指示のもと、ヨルダン経由でシリアに天然ガスを供給する決定を発表した。
カタール開発基金により行われたこの取り組みは、深刻な電力不足の解決に寄与し、シリアのインフラの能率を高め、シリアの人々の苦しみの緩和に貢献し、生活状況を改善することを目的としている。
シリアは様々な理由により電力不足に苦しんでいるが、もっとも顕著な理由としてシリアに課された国際制裁によって発電所と供給網のメンテナンスが行われていないことがある。同様に14年に渡る内戦の結果である供給網の破壊も理由のひとつである。
追放されたバッシャール・アサド政権から新政権が受け継いだ国庫に外貨が残存しておらず、天然ガスを輸入できないため、天然ガスの確保は電力状況改善のための最重要課題とみなされている。
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翻訳者:鈴木美織
記事ID:59858