AIミヤザキ風作品にみるAIの進歩

2025年04月06日付 Hurriyet 紙

AIを使って著名な映画監督である「ミヤザキ」スタイルの創作をおこない、これらをソーシャルメディアでシェアをおこなうトレンドが広まっている。数多くのユーザーが様々な写真もしくは日々の生活のいくつかの瞬間の画像を、ミヤザキの世界にいるかのような形で二次創作を行っている。

AIは瞬く間に広がりを見せて、頻繁に新たな潮流が取り上げられるようになっている。
最近あっという間に広がったトレンドChatGPTユーザーたちは、自らの写真を日本の
アニメスタジオ、「スタジオ・ジブリ」スタイルで新たに創作している。宮崎駿、高畑勲、鈴木敏夫によって日本に創設されたスタジオジブリは、手描きアニメーションによって、日本だけでなく世界中の幅広いファン層にまで浸透した。大人たちにも訴えかける、哲学的なテーマを含むアニメーション映画によって、匠の映画監督である宮崎駿を筆頭としてオスカーを受賞した『千と千尋の神隠し』をはじめとして『となりのトトロ』そして『ハウルの動く城』といった数多くの作品を作り上げたのだ。

OpenAI のAIアシスタントであるチャットGPTに対して3月25日にもたらされたアップデートは、ユーザーが望むようにその画像を、更には好みのアニメーション映画と似たイラストレーションを作成することを可能とした。これらの中で、スタジオジブリタイプの画像を創作することがトレンドとなった。

OpenAIのCEOであるサム・アルトマンもXでのプロフィールで、自身を一人のジブリのアニメーションのように取り扱っている。アルトマンは、ジブリスタイルの映像を作成する特性が、ウィルスのようになった後で100万人のユーザーを獲得したと発表した。

■「生命に対しての冒涜」

数多くのジブリファンは、このトレンドがスタジオと宮崎の著作権を侵害しているという理由で批判をした。「人口知能を通して、芸術家の精神を模倣することは可能なのか?」「人工知能は宮崎駿の仕事をその手から奪ってしまのか?」という議論が沸騰した。宮崎は2016年にAIがサポートした一本の映画を鑑賞したのちに、この議論を「生命に対しての冒涜」だという考えを述べた。スタジオジブリの流行は、巨匠の名によるこの言葉を再び議題にあげた。AIと倫理、著作権の議論が継続する中、スタジオジブリは、未だ問題に関する司法的措置を講じていない。

■どのように行えるのか?

チャットGPTアプリもしくはインターネットサイトを開いて下さい。

左端にある+のマークをクリックしながらお望みの画像をアップロードしよう。

「これをスタジオジブリに変換してください」もしくは「この写真をスタジオジブリに変換して」という形で、指示を入れて下さい。プラットフォームの画像が、スタジオ風に変換された後で、保存するためにダウンロードの選択肢をクリックしよう。もはやスタジオジブリのトレンドは、フェイスブックのようなソーシャルメディアプラットフォームで共有できる。

■「聖域に手をかけてしまったように感じられる」
ウムット・フラト・エロール氏、ヒュリエット紙日曜版テクノロジー系記者

最初の宮崎の映画「千と千尋の神隠し」(2001)は、大学を卒業する年に鑑賞しました。宮崎の映画、つまりはスタジオジブリは、今日の要請である普遍的な創作であることを超えて、私達の世界の中でまるでパラレルな世界、フィクションです。人生について教え、人間の欠点、素晴らしさを説明するのです。喜び、悲しみ、驚き、興奮といったあらゆる感情を生きさせます。スタジオジブリは、アニメ世界においてまるで哲学的な一つの道であり、スピリチュアルな教材のようなのです。ソーシャルメディアにおけるトレンドは、そのアニメーションが表現をした精神的な要素と知的レベルから非常にかけ離れているために、まるで聖域に手をかけてしまったように感じさせます。宮崎駿がAIをあまり気に入っていないということも知っているので、彼に容易に同情ができます。またその一方では、一体このジブリとは何なのか、と興味をもちミヤザキの映画を鑑賞するチャンスのある若者たちが、 その世界の素晴らしい側面と出会う機会の水源を提供しているとも言えます。

■どこで鑑賞できるのか

イスティクラル通りのアトラス1948シネマは、今月、巨匠映画監督である宮崎駿の最も愛された映画からなる特別なセレクションを観客と邂逅させる。

『となりのトトロ』
4月9日 水曜日18時

『ハウルの動く城』
4月9日水曜日20:00

『崖の上のポニョ』
4月26日土曜日18時

『もののけ姫』
4月26日金曜日20:30

■(スタジオジブリの)ベストから・・・
ヒュリエット紙日曜版映画ライター、ウール・ヴァルダン氏


『千と千尋の神隠し』2001
小さな千尋と家族が、ファンタンジーの旅に旅立ちながら、奇妙なキャラクターたちから構成されているある世界で巻き起こる事件・・・暗い雰囲気を持つこの宮崎の古典は私の考えでは監督の最良の仕事である。

■環境へのメッセージ

『もののけ姫』
ある悪霊を殺す際に、呪いをかけられたアシタカと、この恨みを終わらせることができるといわれる森の魂を見つけ出そうとする冒険である。宮崎氏は今回、これらのキャラクターたちの旅路を環境保護のメッセージとともに提示している。


■ファンタジー

『ハウルの動く城』2004
ある魔女によって年老いたある女性に変えられてしまった若い女性が、近しい友人である
歩く城ハウルをかつての状態へと取り戻すための努力・・・宮崎の卓抜した想像力のあるまた別の表現である。

■魔法の世界
『隣のトトロ』

母親が回復するのを待ち望み、はじめて妹、また近くの森で出会った化け物たち、また
巨大な可愛らしい生物であるトトロとの友情・・・宮崎は私たちをある魔法の世界の一部へと変えてしまう。

■人間になる夢
『崖の上のポニョ』

ちっちゃな魚のポニョの最大の夢は人間になることだ。ある子どもが作り上げた
友人の道で重要な一歩を踏み出す手助けをする。


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:堀谷加佳留
記事ID:59924