レバノン:アラブ国際ブックフェアで行われた子供向けのイベントが好評を博す
2025年05月25日付 al-Mudun 紙

■ベイルート・アラブ国際ブックフェアで開かれた子供向けのイベント:命の鼓動
【ベイルート:本紙】
第66回ベイルート・アラブ国際ブックフェアで行われた子供向けイベントが活気に満ちた雰囲気にあふれた。イベントでは、子供の年齢を考慮しつつ、文化への愛着を強化する教育的・娯楽的な枠組みのなかで、参加型演劇の上演や読み聞かせ、心理的サポート、絵描きと塗り絵のワークショップなど様々な活動が企画された。イベントは子供たちからの大きな反響や家族からの好評を得ることとなり、子供は単なる来場者ではなく主役となった。
子供向けのイベントは、3歳から10歳といった特定の年齢を対象とした演劇の上演で始まった。またこの上演は、それぞれの年齢の要求に応えるために、各年齢に対応した芸術的方法を用いて行われた。演劇を上演したイベントホールは様々な小学校や幼稚園からやってきた数十人の子供であふれ、彼らは特に、舞台に魅力と愛らしさを添えたマリオネットを使った人形劇に強く反応した。
児童文学において50冊以上の本を執筆した経験を持つ作家のマリー・マタル氏は、演劇「私の友達は木」を、ストーリーが子供達にわかりやすく愛らしく伝わるように、魅力的なジェスチャーを用いて上演した。物語は木に対して深い友情を感じている少女を中心として進み、物語を通して子供たちに環境に対する意識を芽生えさせた。またこの物語は、少女と木の象徴的な関係性を通じて、さりげないながらも影響力のある教育メッセージを用いることによって、子供たちに環境保護や植物の保全を促した。
マタル氏は、演劇のストーリーが自身の姉妹であるローズ・マタルが執筆した物語に着想を受けたものだと説明した。さらに、木が単に環境的なスローガンではなく、日常生活を体現する生きた存在となるように、子供たちの心の中に環境に対する責任感を芽生えさせることを(上演の)目的としたと述べた。
同様にマタル氏は「雄鶏と小麦」というタイトルで2つ目の演劇を上演した。この演劇は食料や農業の重要性に焦点を当て、子供達に小麦の収穫期の恩恵についてわかりやすく伝えた。この演劇の上演は多くの子どもたちを魅了し、彼らは丁寧に作り込まれたキャラクターたちや、物語がわくわくする方法で伝えたメッセージへの感銘を表した。
マタル氏は、この演劇が同様に、強欲や嘘など人間のネガティブな側面を架空のキャラクターに描き出すことによって、子供たちにこれらの側面と向き合う方法を教えることを目指したと述べた。そしてこれは、子供達にこれらの側面を認識させ、それらと意識的に向き合えるよう助けることに繋がったのだという。
(後略)
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翻訳者:清久功介
記事ID:60231