レバノン:アンティリヤース、海と太陽に抱かれた歴史の町
2025年07月14日付 al-Quds al-Arabi 紙
■古代から人々を惹きつけてきた、マトン地方の心臓部と文化遺産
【ベイルート:本紙】
それは単なる沿岸の町ではなく、遺産であり、アイデンティティであり、歴史であり、文化でもある。
アンティリヤース・ナッカーシュは、歴史の深みに根ざした存在であり、「太陽の姉妹」「海の隣人」とも形容される。古い水車場や、人類最初の営みを物語る洞窟を抱き、また、ラフバーニー兄弟がその名と格調を旋律に乗せ、世界に広めた地でもある。
幾度もの民衆蜂起を経て、今なおマトン地方の中心として脈打ち、考古、観光、歴史、商業の名所を兼ね備え、観光客にとって理想的な目的地であり、世界的に誇れる文化遺産である。
アンティリヤースを訪れることは、風光と憩いを味わう喜びだ。
多彩で魅力的な自然景観に恵まれ、レバノン山脈でも屈指の観光地の一つとして知られる。歴史的、考古学的、観光的、娯楽的な見どころが随所に点在し、レストランやカフェ、商業モールが立ち並び、世界各地から訪れる人々を惹きつけている。
アンティリヤースは、ベイルートからキスラワーン、ジュバイルを経て北部へ至る要衝である。首都から北へ向かう者も、その逆に南へ向かう者も必ずここを通る。
また、マトン北部の沿岸と中部、さらに山間部を結び、その名を冠した川の両岸に東西へと広がる。この地を訪れた旅行家アンリ・ラマンは、「アンティリヤースの立地は極めて良く、古代より人々の関心を引き、居を構え、開拓してきたに違いない」と記している。
古くからの歴史を持つこの町は、現代的な建築の進展が進む中にあっても、多様性と自然美、歴史的・地理的・文化的・都市的な魅力を保ち続けている。見事な住宅建築のみならず、森林や果樹園、山の斜面や渓谷、湧水や公園、そして数多くの自然・歴史的な洞窟や遺跡が点在し、その風景は訪れる者を惹きつけてやまない。
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翻訳者:湯浅稜
記事ID:60643