シリア:ダマスカス大学の講堂で芸術祭が開催、ムナー・ワースィフさんがスピーチ
2025年09月01日付 その他 - RT Arabic 紙

■ダマスカス大学で行われた芸術祭で「ダマスカスの大樹」が語る…「私たちは働き、そしてその働きを愛することで子どもたちが祖国へ帰還できるよう奨励しなくてはならない」
【ロシア・トゥデイ・アラビック】
日本と世界で活動する非営利法人「シリアの友ネットワーク」は、シャイン芸術制作・配給会社の協力のもと、ダマスカス大学の講堂で芸術祭を主催し、「芸術は銃弾よりも強いと信じる人々」への平和のメッセージを届けた。
式典は、ファイサル・バニー・マルジャ監督によるナショナル・オペレッタ「まだ希望はある」の上演で幕を開けた。ルトフィー・ブーシュナーク、ルーラー・サアド、ユスラー・マフヌーシュ、ムハンマド・ブルーシー、ムハンマド・ミスバーフ、スナー・ユースフ、ムーサー・ムスタファー、アサーラ・ユースフ、マフディー・イラーキー、ミールナー・ワリード(敬称略)らアラブ世界の歌手たちに加え、才能ある子どもたちの合唱団が出演し、シリアが歩んだ苦難と未来への希望を舞台上に描き出した。
この催しはまた、シリアはレンズに収められる映像ではなく、不屈の魂が織りなす物語なのであり、芸術の力が銃声よりも高く長く響くことを示す象徴的メッセージを世界に向けて発信した。
公演の合間には著名なアラブ芸術家たちが表彰され、なかでも「ダマスカスの大樹(السنديانة=スィンディヤーナ)」と呼ばれる大女優ムナー・ワースィフさんが登壇した。彼女は感動的なスピーチで「責任感こそが自分を継続させるものであり、情熱こそが継続性の秘訣である」と述べた。
ワースィフさんは自身について「若いころは名声を求めていたが、時が経つにつれ尊敬を求めるようになった」と述べたうえで、過去を縛ってきた「黙っていれば無事でいられる」という恐怖を自身がもっとも嫌うものであると述べた。さらに「私たちは望むようにではなく、彼らが望むように話してきた。だが今は声を高らかにあげることができる」と続けた。
さらに、20年以上の歳月を経て息子アンマールと再会できた喜びを表し、「なぜ戦争は子どもたちを奪うのか、なぜ独裁は私たちの心を痛めつけるのか」と問いかけた。
そして最後に、シリアの人々へ帰国と再建への参加を呼びかけ、「祖国は私たちのものであり、母である。アッラーが母を『天国は母たちの足元にある』といって母親を称えた。シリアは太古から存続しており、私たちはシリアを愛しているので、決してそこを離れることはない。私たちは働き、そしてその働きを愛することで子どもたちが祖国へ帰還できるよう奨励しなくてはならない」と語り、スピーチを締めくくった。
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翻訳者:国際メディア情報センター
記事ID:60746