パレスチナ:ワルシャワ国際映画祭でパレスチナ人監督による短編映画が同部門グランプリを受賞

2025年10月21日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ワルシャワ国際映画祭でパレスチナ人監督による短編映画「ニハーヤ」が短編映画部門グランプリを受賞

【カイロ:本紙】

第41回ワルシャワ国際映画祭でワールドプレミア上映されたパレスチナ短編映画『ニハーヤ(The End)』は、観客と審査員の両方に深い感銘を与え、短編映画部門グランプリを受賞した。

受賞時のスピーチでワルド・カイヤール監督は審査員に感謝の意を表し、パレスチナの人々の苦しみが続いていることを明らかにしつつし、以下のように訴えた。

「審査員の皆様、ありがとうございます。ガザでの戦争は終わったかもしれませんが、大量虐殺はまだ終わっていません。ガザは依然として包囲下にあり、人道支援は禁止されています。ガザには食料も水も、学校も病院も家もありません。ガザの人々は今後何年も雨の下で眠ることになるでしょう。そして、占領は再び戦争へと戻るであろうことは、私たち皆が知っています。だからこそ、私たちは今、ガザを放っておいてはなりません。パレスチナに自由を」。

本作の主演はパレスチナ人俳優ズィヤード・バクリーである。物語は嵐の夜、ハイファの閑散とした通りを一本のたばこに火をつけようとしながら歩く男を描いている。しかし雨風に揉まれてうまくいかず、何度も試みた後、見知らぬ男が彼に近づき、助けを申し出る。このつかの間の出会いは、ガザの人々が耐え忍ぶ包囲と抑圧に直面し、ガザの外にいる人々が感じる無力感と見捨てられた感覚について、深く考えさせるきっかけとなる。

ワルド・カイヤールは、カイロ国際映画祭でプレミア上映され、その後世界各地の映画祭に参加した初の短編映画『ハムザ:私を追う亡霊を追う』で注目された若手パレスチナ人監督である。現在、長編デビュー作の脚本執筆と短編第3作を進めており、芸術的な大胆さとパレスチナ問題への深い人間的献身を融合させた映画制作キャリアを続けている。


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翻訳者:山西茉由子
記事ID:61043