エジプト:イスラエルによるウンム・クルスームの楽曲の使用を拒否
2025年11月14日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ウンム・クルスームの姪孫は、イスラエルでのウンム・クルスームの歌声を使ったコンサート開催を一切認めないと述べる
【カイロ:本紙】
イスラエルの音楽グループ『ヌール』が、『東方の星』と呼ばれたウンム・クルスームの没後50年の機会に、ヤッファ、ハイファ、ベエルシェバ、その他イスラエルの諸都市において、今月ウンム・クルスームの曲を演奏する一連のコンサートを企画しているという発表をした。これを受け、偉大な芸術家ウンム・クルスームの姪孫ジーハーン・ドゥスーキーは、『東方の星』の歌声は軽んじるべきではない国家的遺産であると確認し、この芸術的遺産の保護のために、政府が行動をとることの必要性を強調した。
さらに、彼女は『エジプトで起こっていること』という番組での発言で、「ウンム・クルスームはエジプトの第4のピラミッドであり、彼女の声、そして歌には敬意がはらわれなければならない。私たちはウンム・クルスームの声を用いるどのようなコンサートも、イスラエルで開催されることを認めないし、それをエジプトの遺産の略奪と見なす」と述べた。
歌手ヴィオレット・サラーマは、30人の編成のオーケストラを伴って、ウンム・クルスームの曲をセレクションし歌う予定であるが、このことはエジプトおよびアラブの世論で大きな反発の波を引き起こした。
ジーハーン・ドゥスーキーは、ウンム・クルスームの遺産の保護が芸術に対する国家的義務であると強調し、彼女の歴史的・芸術的地位を保つために必要な措置をとるよう公的機関に訴えた。
エジプト作詞作曲協会のミドハト・アドル会長は、このコンサートへの断固拒否を表明し、「文化遺産の盗用はイスラエルによって繰り返されている行為である」と述べ、「アドル・グループ社は自社の動画が不当な盗用にさらされている」と付け加えた。そして協会は、イスラエルのラジオやテレビと取引しない述べ、なぜなら、それにより不当な形での関係正常化が行われるからだと指摘した。
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翻訳者:東郷綾乃
記事ID:61141