トルコへの留学を勧めるデジタル大使

2025年12月14日付 Milliyet 紙
外国人留学生らが「トルコでの学生生活」をテーマにSNSに投稿するコンテンツが一大ブーム。こうした投稿は数百万リラ規模のプロモーションキャンペーンを後目に10億回以上の視聴回数を記録した。ボスポラス海峡の景色や授業に出席する野良猫を投稿する学生も。ドネルケバブ、バクラヴァ(菓子)、トルコ式の朝食、あるいは道端で売られる食べ歩きグルメなども大きな注目を集めている。

(記者:オザン・オメル・カドゥケル)

トルコは世界200カ国以上から約35万人の学生を受け入れており、世界で最も多くの留学生を集める国ランキングで6位を獲得している。2030年までに100万人の留学生を受け入れるという目標に向け、政府機関も民間団体も多数のプロジェクトを推進しているが、最近、そうした事業を凌ぐのが「トルコでの学生生活」をテーマした外国人留学生のSNS投稿である。それらの投稿は数百万リラ規模のプロモーションキャンペーンを後目に10億回以上の視聴回数を記録している。

■「説得力強く信用できる」

この件について取材に応じたStudyinTürkiyeのゼネラルマネージャー ジャネル・オトラクチュ氏は次のように述べる。

「トルコはもはや単なる観光大国・貿易大国ではない。若者の目には、人気デジタルコンテンツ、特に日常生活が魅力的で、教育面でも手頃な刺激的な国として映っている。今やSNSコンテンツは、トルコの留学生教育分野の成長の最大の原動力の一つになっている。そうしたコンテンツを制作する留学生は、トルコにとって新たなデジタル大使だ。しかもその影響力は公的な予算によって生み出されたものではない。完全に留学生の自然体の暮らしからできたものだ。だからこそより説得力が強く、記憶に残り、信頼できる」

■「東洋的でありながら西洋的」

イスタンブルで学ぶ留学生は、ボスポラス海峡、ガラタ橋、カラキョイ、カドゥキョイ、オルタキョイ、ニシャンタシュといったエリアで毎日何百本ものVlogやショート動画を撮影する。さらにアンカラやイズミル、気球ツアー、日の出の様子、サファリツアー、カッパドキアの動画も頻繁に投稿されている。

外国からの視聴者は、動画の下に「トルコがこんなに近代的だとは思わなかった」、「この街で学びたい」、「この街は素晴らしい」といったコメントを残す。また、路地やキャンパスでしょっちゅう見かけるどころか教室にまで入ってくる猫も注目を集めている。

ここで、トルコ関連コンテンツへの学生のコメントを抜粋して紹介したい:

・モダンだけどぬくもりがある
・安価で高品質
・安全だけど自由
・東洋的でありながら西洋的

■料理にも注目集まる

街の様子ばかりでなく、留学生が撮影するグルメ動画もあっという間に拡散される。そうした動画は、「トルコ式の朝ごはんを経験せずに朝食を食べたと言ってはいけない」、「ドネルケバブはたった3ドル」といったコメントで賑わっている。オトラクチュ氏は。「ドネルケバブ、バクラヴァ、キュネフェ、メネメン、トルコ式朝食、あるいはストリートフードは特にTikTok一大トレンドとなった。コストパフォーマンスの観点からもトルコの食事はハイレベルで、それが楽しく美味しく手頃に生活できるというイメージを生み出している。そうしたイメージをもつ学生がトルコ留学は合理的だと話している」と述べた。

■いちばん人気のある国は?

ブリティッシュ・カウンシルとスタディ・ポータルズが220以上の国・地域から5100万人のユーザーデータをもとに作成した報告書によれば、トルコは中東・北アフリカ地域において、大学生が教育を受けたい外国として最も多く選ばれた。またトルコは学士課程906コース、修士課程900コースと数の面でも1位に輝いた。

■「第二の故郷」

アンカラ・メディポル大学医学部で学ぶシリア人のリヤム・アルバシャさんは、自身の母親もトルコに留学していたとし、トルコは第二の故郷のように感じていると語った。

留学生からは以下のような意見がきかれた。

アリ・ファハドさん(ナイジェリア出身、アンカラ大学宗教社会学専攻)
「トルコのチャイをテーマに詩を書きました。この詩を書くとき、とくにチャイの温かさをトルコ人の温かさに重ね合わせました」

スワヒファ・アブディ・ジュマさん(タンザニア出身、生物医工学専攻)
「タンザニアの首相もトルコ留学していました。私も成功し母国に貢献したいと思っています」

イェセオ・ユクさん(韓国出身、ジェラーパシャ大学医学部)
「トルコと韓国の間には強い絆があります。この友情の一部になれることを誇りに思います」


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翻訳者:原田星来
記事ID:61288