シリア:経済専門家「シーザー法の撤廃は転機になるが、経済危機の万能薬ではない」
2025年12月26日付 al-Watan 紙

■投資と金融再統合の道を開く一方、改革と腐敗対策が伴わなければ効果は限定的に
【ダマスカス:本紙】
「シーザー法」の撤廃は、経済面・政治面の双方で極めて重要で、復興プロセスの本格始動とインフラ再整備への道を大きく開く転機になる。崩壊した経済状況の改善に資するだけでなく、シリアの金融部門を国際金融システムに再統合する契機にもなり得る。
アレッポ大学経済学部のハサン・ハズーリー博士は『ワタン』に対し、シーザー法の撤廃は、シリア経済を懲罰的制約から解放する効果を持つと述べた。同法はシリアとその貿易相手に厳格な制裁を課し、投資と貿易、さらに外国企業のシリア市場参入を妨げてきたという。制裁解除によって対外投資の法的障害が取り除かれ、シリアは国際金融システムへの再統合に近づくとした。
ハズーリー氏はまた、撤廃はエネルギー、建設、輸送、工業、農業などの分野における外国資本の流入を促し、投資と貿易の新たな機会を生むと指摘した。これにより国内生産が強化され、新規雇用も生まれ得るという。さらに、制裁解除は金融システムへの信認回復にもつながり得ると述べ、中央銀行が国際的な信用格付け機関と連携しやすくなり、格付け取得につながる可能性があるとした。格付けが得られれば、開発プロジェクト向けの国際資金への道が開ける。
為替についても、投資や送金を通じて外貨が流入すれば、シリア・ポンドの対外価値が改善する可能性があるとし、それが現在のインフレ圧力の緩和につながると見る専門家もいると述べた。
潜在的なプラス効果
ハズーリー氏は、この措置がシリア経済にもたらし得る効果として、投資の流入、被害を受けたインフラでの大規模復興事業の開始、長年の様子見の末に国内外の一部企業が市場へ戻る可能性、貿易活動の段階的な改善、輸出の増加と輸入の正常化を挙げた。また、国際金融システムへの再統合が進めば、国際機関による開発資金の獲得機会も生じ得るとした。
経済回復に必要な条件
同氏は、撤廃後に経済が正しい軌道に乗るためには、国内改革が不可欠だと強調した。具体的には、経済改革の実施、行政機構と金融機関の刷新、透明性の強化と腐敗対策、安定した金融政策の採用、投資を呼び込む環境整備が必要になるという。投資家保護の明確な法制度を整え、付加価値の高い分野への投資誘因を設けることも重要だとした。
さらに、生産部門の育成、農業と国内産業の支援、エネルギーと交通インフラの整備、市場の国際化、周辺国および主要国との貿易関係の回復、国際機関との資金・開発プログラムへの参加も求められると述べた。
生活改善までの時間
撤廃後に市民が生活改善を実感するまでの期間について、ハズーリー氏は改革の実行速度と投資誘致の進み具合に左右されるとしつつ、短期ではおおむね6~12か月程度で、為替の安定や一部価格の段階的低下といった「小さな改善」が現れる可能性があると述べた。中期では1~3年で雇用機会や商業活動が改善し、基礎サービスの向上が感じられる余地があるという。長期では3年以上を要し、改革が適切に進むことを条件に、より広い回復と生活水準の目に見える改善が可能になるとした。
同氏は同時に、回復は迅速には進まず、政治・治安要因の影響を受けるほか、国内外で信認を高められるかどうかにも左右されると述べた。
ハズーリー氏は、この措置の意義は、包括的復興への道を開き、シリア経済に対する国際的信認を支え、長年の金融・経済的孤立を緩和し、中期的には雇用機会の拡大と経済成長の可能性を高める点にあると指摘した。
残る課題
一方で同氏は、撤廃後も課題は残るとし、公共部門と金融部門で深い構造改革が必要であること、腐敗対策と経済運営の改善が不可欠であることを挙げた。戦争の影響で基礎サービスとインフラの質はなお低く、撤廃の効果が直ちに全面的に現れるわけではないとも述べた。
最後にハズーリー氏は、シーザー法の撤廃だけでは、腐敗、経済運営の中央集権、均衡を欠く財政政策といった構造的問題は解決しないとし、完全な回復を阻む障害はなお残ると指摘した。その上で、この措置はシリア経済のあらゆる問題を解決する「魔法の解決策」ではないが、戦略的改革を伴うなら、持続的な経済建設の重要な基礎になり得ると結んだ。
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翻訳者:国際メディア情報センター
記事ID:61438