チュニジア:多様な地形に根付いた伝統的なアマジグ建築
2026年05月03日付 al-Quds al-Arabi 紙

■砂と忘却に対峙する彫り抜かれたアマジグ建築
【チュニス:本紙】
マトマータ(マトマタ)市はチュニジアの南東部に位置する都市で、ポエニ時代まで遡るアマジグ文化遺産の歴史的中心地である。そのため同市はまとまった地域を代表する都市圏であり、地理的・地形的環境のなかに根付いた部族的な特性をもつと考えられている。そしてこれらのデータは砂漠化や砂の侵食、継続的な放置に耐えながら醸成されてきた独特の建築的特徴の集積となっている。
マトマータ市が、チュニジア南東部における文化的、考古学的、観光的シーンのなかで継続して際立った存在感を示しているのは、数々の山脈や丘陵地が防御の役割を果たしているからである。そしてこれらの地形は元来、アマジグ人を多数派とする部族集団の生活活動と結びついてきた。
この地域で生計と関わる経済活動の大部分が牧畜や大麦、多様な飼料作物の農業から成っており、そのほか近隣の海岸地帯に接している地域ではオリーブの栽培も行われ、ジャリード(ジェリド)湖南部にあるニフザーワ地方との境界ではナツメヤシの栽培も行われている。さらに砂漠の地域に適応した牧畜業も非常に重要であり、広大な砂漠地帯に点在する多くの高地では山岳オアシスも形成されている。
この地域は平地や高地など多様な地形によって、豊かで魅力的な場所だとされている。さらにそこには、周辺地域に根付いた文化が保存され継承されてきたという伝統的な部族的傾向も存在している。そしてこの文化は「シャルハ(シェルハ)語」という言語に表れており、現在でも周辺のベドウィン系地域や都市部の長老、名士らによって保持されている。またこれらの地域は、トゥージャーンやザラーワ、タマズラト、シャナンニーなどにみられる独特な歴史的住区によってもよく知られている。
これらの住区は、イスラーム創始以前に遡る地域的固有性の価値を記録する比類なき存在である。そして、険しく人里離れた地域に位置している小さな地区であれ、重要な中心地に近く観光的な威光を有する中規模の地区であれ、それらは確かに山岳型あるいは洞窟型のアマジグ様式を反映している。またそれらは、地表下に掘りこまれた住居の内部に組み込まれた地下水平型の構造など多様な伝統的建築によって特徴づけられている。同様の住居は、バニー・ハッダーシュ山地、マトマータ山地、シャナンニー山地といった岩山の山系に隣接する高地にも存在している。そこでは、健康的な生活のための自然の空調効果と湿度が得られるためである。
(攻略)
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翻訳者:天田陽菜
記事ID:62064