イスラームに対するシオニズムの敵意の歴史的ルーツ;ジャディードボナーブ師「預言者ムハンマド(彼とその一族に神の祝福あれ)はメディナに移った時、対話、盟約、そして社会的共生に基づいて行動した(1)

2026年08月10日付 Jam-e Jam 紙
 イスラームの歴史は、聖なる預言者[預言者ムハンマド](彼とその一族に神の祝福あれ)と、他の宗教の信者やさまざまな社会との関係を見直すこと抜きに理解することはできない。この関係は、対話と社会的契約から始まり、さらに政治的変動と一部の協定不履行の影響を受け、数多くの浮き沈みを経ることとなった。

 なかでも、ユダヤ教徒と預言者(彼とその一族に神の祝福あれ)との関係やヒジャーズ地方におけるユダヤ教徒の存在に関する歴史的背景、メディナでの契り、そして最後に、宗教としてのユダヤ教と政治的潮流としてのシオニズムとの違いといった問題は、常に歴史的な議論と研究の対象となってきたテーマの一部である。

 聖クルアーンの教えと預言者ムハンマド(彼とその一族に神の祝福あれ)の行状に留意しながらこれらの問題を再検討することにより、召命(訳註:ムハンマドが預言者として神に召し出され、人類に遣わされたこと)の時代と聖遷後数年間の社会的・政治的雰囲気についてより正確な全体像を得ることが可能になる。そこで今回、我々は預言者ムハンマド(彼とその一族に神の祝福あれ)の行状、預言者とユダヤ教徒との関係、およびこの関係の歴史的背景について尋ねるため、アル・ムスタファー国際大学で教鞭を執られているホッジャトルエスラーム・アリー・ジャディードボナーブ博士にインタビューを行った。

◆使徒様[預言者ムハンマド](彼とその一族に神の祝福あれ)―彼と彼の清らかなる一族に神の祝福あれ―についての議論に入る前に、ユダヤ教徒とシオニスト政権との区別についてご説明いただけますか?

―はい、この二者は分けて考えなければなりません。世界のユダヤ教徒のシオニスト政権に対する態度は一様ではありません。その姿や立場がメディアで報じられてきたユダヤ教のハハム(訳註:高名な律法学者らに対する尊称)や思想家らでさえ、根本的にシオニスト政権の思想と行動には反対しています。この区別は、ユダヤ教とイスラームの関係の公正な歴史的研究のために必要な前提です。

◆預言者ムハンマド(彼とその一族に神の祝福あれ)の時代に立ち返りましょう。ユダヤ教徒のイスラームへの敵意のルーツを説明していただけますか?

―判断基準を聖クルアーン、預言者ムハンマド(彼とその一族に神の祝福あれ)の行状、そして信頼のおける伝承におけば、ユダヤ教徒の行いを2つの期間に区分して検討することができます。イスラームの出現以前と、預言者ムハンマド(彼とその一族に神の祝福あれ)の召命以降という区分です。無論これらの行いの先例はイスラーム以前に遡るものであり、クルアーンもその一部を裏付け、詳述しています。これには、イスラエルの子らによる神の多くの預言者たちの殺害と、ムーサー様(彼に平安あれ)に対する彼らの弁明が含まれます。クルアーンはムーサー[モーセ]様(彼に平安あれ)が40日間姿を隠していた間の子牛像崇拝事件[※ムーサーが啓示の石板を受け取るためにシナイ山に40日間滞在していた間、サーミリーなる人物が人々の金や宝石を溶かし、子牛の形をした像を作った。その像は特殊な構造のため、風が通り抜けると牛の鳴き声に似た音を発した。サーミリーは人々を欺き、この子牛こそが彼らの神であり、ムーサーの神であると主張した。その結果、ムーサーが40日間不在の間、イスラエルの民の大多数が子牛像崇拝に走ったとされる事件;この事件にふれている旧約聖書出エジプト記第32章では、モーセの兄である祭司アロンが、モーセの長期間の不在のために不安になった民の圧力に負け、金の子牛像を作ったとされている。一方、この件に言及しているクルアーン第20章(ター・ハー)などでは、預言者ハールーン(アロン)は偶像崇拝を必死に止めようとしたものの、民に聞き入れられなかったという名誉が守られた描写になっている]にさえも言及していますが、これは歴史的先例を示す一例です。

◆クルアーンはこの歴史的一派[ユダヤ教徒]についてどのような特徴を挙げているのですか?

―クルアーンの節を簡潔に検討しますと、現世主義、権威主義、人種主義といった特質がこの一派に顕著な特徴として述べられています。また、アラビアの地におけるユダヤ教徒の存在と彼らの目的についても議論がなされていますが、これらは別枠で議論すべき問題です。全体的には、クルアーンは彼らの行動を、イスラーム以前にせよ以降にせよ、肯定的で是認されるものとは見做していません。

◆信徒[ムスリム]たちに対するユダヤ教徒の見方について、クルアーンは何を伝えているのでしょうか?

―聖クルアーンは「あなたは、信仰する者たちに対して最も敵意の激しい人々が、ユダヤ教徒[とシルクを犯す者たち]であることを、必ずや見出すのだ」[第5章(食卓)82節;『聖クルアーン 日亜対訳注解』226頁]の節で、この一派が信徒たちに抱く敵意の激しさを語っていますが、一方キリスト教徒については、クルアーンの口調は異なり、より穏やかなものとなっています。ゆえにユダヤ教徒たちの行いは全体として、イスラーム以前にせよ以降にせよ、クルアーンの見地からすると、擁護に値するものではありません。

―(2)に続く―


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翻訳者:OK
記事ID:62762