イスラームに対するシオニズムの敵意の歴史的ルーツ;ジャディードボナーブ師「預言者ムハンマド(彼とその一族に神の祝福あれ)はメディナに移った時、対話、盟約、そして社会的共生に基づいて行動した(2)

2026年08月10日付 Jam-e Jam 紙
―続き―

◆そうした敵意は預言者(彼とその一族に神の祝福あれ)の召命以前にも例があったのでしょうか?

―いくつかの歴史的記述によると、ユダヤ教の律法学者たちは、最後の預言者[預言者ムハンマド](彼とその一族に神の祝福あれ)に関して彼らが知っていた徴しに基づきその出現を予見していました。そこでこの神の約束が成就することを妨げるため、彼らは預言者の祖先に危害を加えることさえ企てました。彼らの行動の主な動機もまた、自らの地位と現世の利益や立場を守ることでした。

◆それらの歴史的記述は何に由来しているのですか?

―この問題を詳細に研究するにあたっては、『ビハール・アル=アンワール』[※書名は「光の海」の意で、シーア派の学者ムハンマド・バーキル・マジュリスィー(1699年没)が編纂したハディース集成。全110巻からなる]の第15巻が有益な参考資料となるでしょう。この巻では、ハーシム[※ハーシム・イブン・アブドマナーフ;預言者ムハンマドの父方の曽祖父]、アブドゥルムッタリブ[※預言者ムハンマドの父方の祖父]、預言者(彼とその一族に神の祝福あれ)の親愛なる父アブドゥッラーに対する暗殺未遂の記述に数十ページが割かれています。それらの記述によると、ユダヤ教の律法学者たちは約束された預言者がこの一族の子孫から現れるだろうと信じており、それ故に、この神の約束が成就することを妨げるために陰謀を企てたとしています。

◆ユダヤ教の律法学者たちは、どのようにしてそのことを知ったのですか?

―『ビハール・アル=アンワール』のいくつかの伝承に記されているように、ユダヤ教の卓越した律法学者たちは、外見上の特徴や当時普及していた学問から得た知見など、彼らが知っていた徴しを根拠にこの一門を特定し、それに基づき、約束された預言者はこの一門から現れるだろうと確信していました。

◆そうした取り組みは結実したのですか?

―いいえ。それらの記述によると、あらゆる手段を講じたにもかかわらず、彼らの計画は失敗に終わりました。預言者(彼とその一族に神の祝福あれ)の父アブドゥッラーの逝去についてもいくつか推測がなされていますが、その原因について断定することはできません。結局のところ、神の御心は成就され、最後の預言者(彼とその一族に神の祝福あれ)は誕生なさったのです。

◆預言者(彼とその一族に神の祝福あれ)の幼少期についても、同様のエピソードが存在しますか?

―はい。一部の歴史的記述によると、またマジード・マジーディー制作の映画『神の使徒ムハンマド(彼とその一族に神の祝福あれ)[邦題;預言者ムハンマド]』でも描かれているのですが、預言者がハリーマ・サーディーヤ[※ムハンマドの乳母・養母]に預けられた理由の一つは、潜在的な脅威から預言者を守るためでした。このエピソードによると、危険が察知された時、神に託されたこの子供を確実に守るために、ハリーマ・サーディーヤの夫が夜間にその子をメッカへ連れ戻し、アブドゥルムッタリブに預けたといいます。

◆ユダヤ教徒がヒジャーズへ移住した理由は何ですか?

―アッラーメ・タバータバーイー[※20世紀シーア派の最も著名な学者の 1 人。代表的著作は『タフスィール・アル=ミーザーン』。1981年没]は[聖クルアーンの]雌牛章[第2章]第89節の注釈で、この事について詳しく説明しています。その分析によると、ネブカドネザル王[※新バビロニア王国第2代国王ネブカドネザル2世]によるユダヤ教徒たちへの抑圧と迫害の後、彼らの一部がシャーム[※西アジアのレバント地方の歴史的・地理的地域を指し、今日のシリア、レバノン、パレスチナ、ヨルダン、トルコ南部の一部、イラク北西部の一部が含まれる]の地から移住してきました。

 彼らは聖典に書かれていた吉報に基づいて、約束された預言者がヤスリブ[※メディナ(マディーナ)の旧称で、預言者ムハンマドの聖遷以前の呼び名]という名前の地に誕生するであろうことを知っていました。それ故に、彼らはその地に辿り着こうという決意を胸にヒジャーズへの道を歩んだのです。

◆全てのユダヤ教徒がヤスリブへ向かったのですか?

―いいえ。移住の道中で、一部の人々は現世的な執着と経済的利益を理由にハイバル[※現サウジアラビアの緑豊かなオアシス地帯にあり、メディナから北へ165キロメートル、レバント地方へと続く道沿いに位置する。現在は火山岩、広大なヤシの木立、古代の要塞で知られている]などの地域に定住しました。彼らはヤスリブへ向かう一行に対して、「あなたたちが約束された地へ行き、もし約束された徴しを見つけならば、合流するから私たちに知らせてください」と言いましたが、ハイバルに定住し、良好な経済環境に恵まれるようになると、彼らはもはやその地を離れようとはしませんでした。

―(3)に続く―


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翻訳者:OK
記事ID:62764