■ ハニーヤ首相「アラブ和平イニシアチブの問題点はイスラエル承認」
2006年10月09日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
【ラーマッラー:ムハンマド・ハウワーシュ、諸通信社】
イスラーム抵抗運動ハマースがイスラエルの承認を断固拒絶する一方、挙国一致内閣樹立に関しファタハとの合意が近く成立することが期待されている。パレスチナのマフムード・アッバース大統領は、ハマースの政治部門の指導者でダマスカス在住のハーリド・マシュアル氏が先週受けとったカタールの提案に対するハマース側の回答を得るため、今日か明日にガザに向かうであろう。
パレスチナのイスマイール・ハニーヤ首相は、ガザ市でイフタールの食事中に、「ハマースとパレスチナ政府の間に区別はない。我々がイスラエルを承認したり、関係正常化したりすることはない」と強調した。そして、アラブの和平イニシアチブにおける根本的な問題は、イスラエルが西岸・ガザ地区・シリアのゴラン高原から撤退することと引き換えに、イスラエルを承認するという点であるとの見解を示した。
(中略)
■ マシュアル氏の回答
一方で、パレスチナ筋が本紙に述べたところによると、アッバース大統領は、ダマスカスに住むマシュアル氏からカタール提案の問いかけに対する回答を受けとる予定である。カタールの提案は中東和平カルテットの条件を新しい形で提示したものであり、マシュアル氏の回答は肯定的なものであれ否定的なものであれ、明日か明後日、遅くとも今週末には伝えられることになっている。
また同筋によれば、アッバース大統領は昨日ガザに向かうのを延期したが、ハマースがカタール提案に合意するか、アッバース大統領とハニーヤ首相の間の9月11日の連立合意にあらためて合意すれば、新政府樹立の協議を行うため今日か明日にはガザに向かう。さらに同筋は、パレスチナ内部およびアラブ諸国レベルでのイニシアチブに対するハマースの回答が遅れれた場合アッバース大統領はガザから協議を始めるであろうと言明するとともに、この問題についてはメディアで伝えられている以上の新しいことは何も起こっていないと述べた。
■ ハマド・ビン・ジャースィム外相
パレスチナ自治政府高官によるとカタールのハマド・ビン・ジャースィム・ビン・ジャブル・アール・サーニー外相は、パレスチナ挙国一致内閣の樹立について検討するため、昨夜ダマスカスでマシュアル氏と会談し、今日はガザでアッバース大統領と会談する予定である。また同高官によれば、ハマド外相は昨日アッバース大統領に連絡し、今日の夜にガザで会談を行なうことを申し入れたとのことであり、アッバース大統領はハマド外相を迎えるため今朝ラーマッラーからガザに向かうことになる。ハマド外相は、挙国一致内閣の樹立について検討するとともに[ファタハ・ハマス]両者間の見解をすり合わせるため、アッバース大統領およびイスマイール・ハニーヤ首相と会談する。
また同高官は、「来るべき挙国一致内閣の計画に関する合意に関して、ハマースから肯定的な返答がありそうだ」とも述べた。
(中略)
■ パレスチナ人2人殺害される
他方で、目撃者らが伝えたところによると、イスラエル軍はヨルダン川西岸地区のナブルス近郊でパレスチナ人活動家1名と民間人1名を殺害した。
証言によれば、バラータ難民キャンプでファタハから派生した「アル=アクサー殉教者軍団」に所属する武装した人物に向けて銃撃がなされたという。またイスラエル兵はイスラエル軍のチェックポイントを通り抜けようとした民間人を銃殺した。
■ シャルウ副大統領
ダマスカスではシリアのファールーク・アル=シャルウ副大統領がパレスチナのムスタファー・アル=バルグーティー議員の訪問を出迎えた際、シリアは「パレスチナの諸勢力間の国民合意」を支援すると述べた。
シリア・アラブ国営通信社「サナ」が伝えるところによるとシャルウ副大統領は、「パレスチナ人民が払ってきた多大の犠牲に敬意を表して、対立を回避し、国民を分断する試みを阻止することの重要性」を強調した。
URL: http://www.tufs.ac.jp/common/prmeis/data/nahar/061009nahar_ma.mht
(翻訳者:新谷美央)
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