2006年10月11日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面
【バグダード:イラクの声通信】
避難民・移民担当大臣は昨日の火曜、「強制的に居住地を追われた避難家族の数は5万1000世帯にのぼり、その大半がバグダードに集中している」と述べた。
アブドゥッサマド・スルターン大臣は記者会見の席で、「新たな強制移住がバグダード北部のサブウ・ブール地区で発生し、同地区から避難した家族は691世帯に上る」と述べ、加えて「避難民問題を担当する緊急委員会が組織され、人道支援団体および労働・社会問題省の一部局と協力しつつ、食糧支援が行われた」と語った。
また大臣は、避難家族の定住と強制移住行為の停止は国民和解計画の成否にかかっていると強調しつつ、「避難民のためにキャンプを建てるよりも定住させる方がいい」と述べ、キャンプの設置には警備や保護、衛生サービスの提供が必要となり、膨大な費用がかかるとの考えを明らかにした。
また、避難民対策のため政府から省に割り当てられている予算は600万ドルであると指摘し、さらに400万ドルの追加を望むと語った。
避難民・移民担当大臣は、「避難家族の定住は、強制移住と宗派間暴力が発生している地区の人口構成の変動を防ぐため、追い立てられた地区の近隣で行われるべきだ」と述べた。
さらに大臣は、イラク南部および中部から移住するアッシリア人キリスト教徒とマンデ人サービア教徒家族の問題にも言及し、「バグダードからモースルやその近郊の村々に避難したキリスト教徒はおよそ1000人で、今年2月のサーマッラーでの聖廟爆破以前には彼らの数はおよそ480人だった。このほかに若干のサービア教徒もいる」と語った。
「状況が厳しく安全でない時に安全な場所を求めて移動が生じる」と述べ、避難民・移民担当省はシーア派のためでもスンナ派のためでもなく、イラク人のための省としてあらゆる移民・避難民の問題に関心を払うと強調した。
またイラク国外への避難民に関しては、「75万人がアンマンに、50万人以上がシリアに、100家族ほどがエジプトにいる。イランに関しては、避難民は少ないものの、イランに居住しているイラク人の数は9万家族にのぼる」と語った。
URL: http://www.tufs.ac.jp/common/prmeis/data/sabahjadid/061011sabahjadid_ky.mht
(翻訳者:山本薫)
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