■ アフマド・アブルゲイト外相、本紙と対談
■「パレスチナ問題の解決なくしてテロの撲滅なし」
■「ハマース指導者は責任を負わねばならない」
■「我々はアメリカ政府にイラン核問題への柔軟な対応を求める」
■「ダルフール危機はあろうともエジプトはスーダンの一体性維持を目指す」
2006年10月10日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
エジプトのアフマド・アブルゲイト外相は、カイロでアメリカ、エジプト、ヨルダン、湾岸協力会議諸国の外相級会談が行われたことは、地域にあらたな枢軸を作ろうとする試みではないと述べ、エジプトは地域バランスの要として枢軸の構成要素であるよりも大きな存在であり、また非同盟政策がエジプト外交政策の基本原則であるとも明言した。
外相は現在の諸問題に関する本紙編集部のインタビューの中で、中東和平プロセスを再興、推進するためになされている努力に、ハマース率いるパレスチナ政権が同調する必要性を指摘した。
パレスチナ政府のイスマイール・ハニーヤ首相が中東和平に向けたアラブ諸国のイニシアチブを拒否したことに反発し、「首相がそれを拒否するというのなら、自分で解決策を探ればいい。ただしハマース指導部自身がその責任を負わねばならない」と語った。
また外相はパレスチナの内部抗争について、すべてのアラブ人とパレスチナ人が恥じ入るような悲劇的な状況である、と描写した。
さらに拘束されたイスラエル兵、ギラード・シャリット解放の見返りにイスラエルの刑務所に収監されているパレスチナ人1000人を解放するという案は、パレスチナ側とイスラエル側の高官レベルでの会談実現を容易にする第一歩となり、和平プロセスの地ならしともなると述べ、和平プロセスはまだ死んでいないと強調した。
また外相は、パレスチナ問題の包括的解決に至ることなくテロを撲滅できるというアメリカ政府の想定は間違っていると指摘した。
イランの核開発問題をめぐる危機については、この問題に対する柔軟な対応をアメリカ政府に求め、コンドリーザ・ライス米国務長官との会談でも、国際関係において制裁発動という手段が功を奏したことは歴史上一度もないと伝えたという。
ダルフール危機の展開については、エジプトの目標はスーダン国民の合意に基づいてスーダンの一体性を維持することにあると強調し、「国際社会はダルフール危機に対し身構えているような状況にあるが、エジプトはこうした緊張を緩和し、スーダンと国際社会との対決を避けるよう尽力する。そのような事態が起きれば代償を支払うのはスーダンであり、エジプトにも影響が及ぶことになる」と語った。
URL: http://www.tufs.ac.jp/common/prmeis/data/ahram/061010ahram_ytr.mht
(翻訳者:鳥居洋介)
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