2006-10-06  レバノン元首相暗殺に関する国際調査に「注目すべき進展」か(アル・ナハール紙)

■ 国際法廷の組織案、レバノン当局が近く受理 ブランメルツ委員会の調査において「注目すべき進展」との情報

2006年10月06日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 ラマダーン月が終わる前に現在高まっている政治的緊張が打開されることを期待しつつ、公式あるいは非公式にアイン・アル=ティーナ[※ビッリー国会議長宅の所在地]で展開されている活発な動きに政界の注目が集まるなか、マロン派大司教会議の声明は広汎にわたる反響をもたらし、マロン派総大司教座に対して昨日行なわれた各方面の集中的な「偵察のための」訪問においても、この声明の内容が中心的な話題となった。

 キリスト教マロン派のナスルッラー・ブトゥルス・スファイル総大司教への訪問を終えた人々は、マロン派大司教会議の声明は文字通り述べられた以上のことを意図するものではなく、挙国一致政府樹立の要求をめぐる対立と分裂がもたらす結果について警告し、こうした分裂がハリーリー元首相暗殺事件を審理するための国際法廷の設置を阻害することにつながることを警告するものである、との印象を受けたと語った。

 また、マロン派総大司教座は民主主義の手続きにのっとった決定が可能な政治的問題に対して否定的な態度をとるつもりはなく、それゆえに大司教会議は挙国一致政府樹立の要求に対する態度は表明せず、国内の政争が原因で国際法廷が設置されず裁判が阻害される恐れがある、と明確に述べたのだという。

 またビキルキーは、政治的指導者が相次ぐ集会で強硬な立場の表明を行なっていることの危険性に気づかぬまま政争が発展することによって空白が生ずることに懸念を示しているという。

 そうしたなか、消息筋によれば、各政治勢力の直接的あるいは間接的な発言の中心的な位置を占めるようになった国際法廷問題に関して注目すべき進展が見られた。同筋が本紙に語ったところによると、ハリーリー元首相暗殺事件に関して現在進行中の国際調査において注目すべき進展が見られたとのきわめて重要な情報が一部関係者に伝わっており、12月に提出されるセルジュ・ブランメルツ国際調査委員長の次の報告書では調査の完了に向けての大きな前進が報告されるのではないかとの見方が広まっている。また同筋は、現在の政治情勢の多くがこの展開と結びついたものである可能性も否定しなかった。

 国会内会派「ムスタクバル・ブロック」のサアド・アル=ハリーリー代表やガーズィー・アル=アリーディー情報相は、国際法廷設置計画案の策定は完了間近であり、国連は近く同案をレバノン当局に送付し、閣僚会議において検討が行なわれることになると述べた。

(後略)

URL: http://www.tufs.ac.jp/common/prmeis/data/nahar/061006nahar_ck.mht

(翻訳者:香取千晴)

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