ガラタサライの日本人選手稲本潤一は、日本で300万部を超える発行部数をもつ日本経済新聞がイスタンブルで行ったインタビューで、ガラタサライでの日々を語った。トルコのサポーターはイギリスにも劣らぬ応援文化をもっていると述べた稲本は次のように続けた。「大声や熱烈な雰囲気。こういうムードの中で試合が始まります。ペットボトル、さらには客席の椅子がはぎ取られてピッチに投げ込まれます。アウェースタンドの椅子の数が試合をするたびに減っていくのです。」
■トルコ人はせっかち
「トルコ人はせっかちです。うまいプレイではなく、とにかく結果を求めてきます。イギリスでは方向をかえてパスを奪うと拍手してくれました。でもトルコではそういう考え方はないのです。」
稲本は、エリック・ゲレツ監督に電話で呼び出されてこの移籍が実現したことに触れ、こう語った。
「空港でのあたたかい歓迎をまだ忘れてはいません。なんてすごい関心だったろう。外国人選手はサポーターやマスコミの熱い関心に応えて、トルコリーグで下手なプレイをするような贅沢は許されません。
ガラタサライでプレイする選手には勝利が期待されます。マンチェスター・ユナイテッドやチェルシーでそうであるのと同じです。クラブの会長も、『勝てなければ暴動が起こるぞ。』と選手達にプレッシャーをかけてきます。街へ散歩に出れば、人々は僕に『ユニホームをちょうだい。』と声をかけてきます。」
■理解しきれていない世界
稲本は、ゲレツ監督からの期待が非常に高いと語り、ミッドフィールドの後方で「盾」のように守る役割を任されているという。
「2002年ワールドカップのときに僕が残したイメージがメディアやサポーターの頭にあって、僕に同じこと、つまり点につなげることを期待しています。だけどゲレツ監督は僕に守る役目を与えてきます。ゲレツ監督は決め事を重要視する人ですし、まず戦略ありきなので僕が責めるサッカーをすることを制限するのです。」
このインタビューをおこなった吉田誠一レポーターは、稲本についてこう書いた。
「トルコの名門クラブ、ガラタサライのディフェンスとして鍛えられている稲本は必死の努力をしている。ただしまだ理解しきれていない世界と向かい合っている。」
URL: http://www.hurriyet.com.tr/spor/5417043.asp?gid=53
(翻訳者:古瀬 由加里)
編集 ニュース一覧ヘ