作戦が実行された日、カメラに映っていたハリル・アクバル容疑者とアブドゥルカディル・バルカン容疑者は、赤い外交ナンバーをつけたオペル・オメガに近付いていった。車の中には2人の北朝鮮外交官が座っていた。
容疑者はドアを開け、外交官に前もって伝えられていた合言葉を口にした。合言葉は「My name is Ahmet.」つまり、「私の名前はアフメット」だった。これを言った後、トルコ語が分からない北朝鮮外交官にポケットから出した10ドル札を見せた。このようにして確認の合図は終わったようだ。
■麻薬の詰まったスーツケース
このやり取りのあと、アクバル容疑者は別の車で待っていたバルカン容疑者をそばに呼んだ。二人とも外交官の持ってきた麻薬のぎっしり詰まったスーツケースを受け取るために、車のトランクルームに近付いた。外交官は、後ろの様子をバックミラーで確認しながら、外交特権を持つ車から一歩も外に出ることなしにボタンを押してトランクを開けた。このようにしてものの数秒で、目いっぱい麻薬の詰め込まれた二つの灰色のスーツケースは、外交官の車から別の車に移し変えられた。密売現場の全てをカメラに収めた麻薬担当の刑事は、すぐさま作戦を実行し容疑者を捕らえた。
■国外追放
北朝鮮の外交官であるスン・リャン・ザ・ウォンとソン・ジンは56袋に分けられた重さ115キロ、700錠の麻薬を所持していた。ブルガリアの首都ソフィアにある北朝鮮大使館で働いている北朝鮮の特命外交官は、作戦の結果国外追放された。こうしてトルコで初めて、外交官による麻薬の密売の一部始終が警察のカメラに記録されることになった。
URL: http://www.hurriyet.com.tr/gundem/3829594.asp?m=1&gid=69
(翻訳者:坂 泉穂)
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