2006年2月2日付アル=ナハール紙HP教育面
在レバノン日本大使館の支援の下に東京外国語大学が記者クラブで記者会見を開き、「ベイルート中東研究日本センター(JACMES)」の開設を発表した。
初めに池端学長がスピーチを行い、JACMESは同大学が中東地域に設立する初の研究拠点であり「その拠点としてレバノンが選ばれたのは、同国の地理的な位置と文化的多様性、さらにレバノン国民の国外との直接的な結びつきに鑑みてのことである」と述べた。また、「本学はレバノンの縮図のような存在でありたいと考えている。それはとりもなおさずレバノンが、長くつづいた内戦の後に再建を進めている国だからであり、本学は平和と紛争解決の研究を専門とする大学だからである」と述べた。
村上徳光日本大使は同大学の企画を称賛し、中東研究日本センターの開設はレバノンと日本の学術交流史上における画期的な出来事であると述べ、レバノンが同センター開設の場所として選ばれたことは「東京外国語大学の慧眼の証しである。同大学は外国語の分野において最も重要な大学の一つとみなされており、その業績ゆえに国内外において広く認められている」と述べて、同センターが学術分野において重要な役割を担うとともに両国のためにすぐれた成果をあげるよう希望を表明した。
一方、レバノンのターリク・ミトリー文化相は「日本における近代化の経験の成功は多くの人々の大きな関心を集めてきたが、その経験がアラブ民族再興のために役立てられることはなかった。アラブが現在に到るまでその経験の客観的な研究を怠ってきたのは、アラブ人研究者と日本人研究者の間に恒常的な直接の知的交流が不在であったことに起因するのではないかと思われる」と述べ、今回の同センター開設が「開かれたレバノンの新たな道程へと我々を向かわしめる国民的な要請に応えるものである」と期待を表明した。
またミトリー文化相は、殉教者ラフィーク・アル=ハリーリー元首相が日本の近代化の経験や日本の文化的プロジェクトへの支援に感銘を受けていたことに言及し、現在のさまざまな課題に取り組むためのレバノンと日本の知的対話が同センターによって開始されるであろうと宣言した。
また、国外滞在中のハーリド・カッバーニー教育・高等教育相に代わって同省のアーミル・ハルワーニー補佐官が祝辞を朗読した。祝辞は「中東研究日本センターの開設を歓迎する。同センターはレバノンと日本の学術・教育および知的分野における交流の活性化に重要な役割を果たすであろう。東京外国語大学がレバノンを拠点として選んだことは、さまざまな文化に対して開かれており、それらの文化を互いに開かれたものとするために貢献してきたこの国の重要な位置の証しである」と述べるとともに、日本大使館が両国間の関係を活発化させるために貢献していることを称賛するものであった。
その後、東京外国語大学の活動内容と、中東地域に開かれた活動を目指す同センターの活動内容が紹介された。同センターはレバノン人学生の日本における学術活動や日本研究その他の分野の講演などを計画している。
URL: http://www.tufs.ac.jp/common/prmeis/data/nahar/060202nahar_smori.mht
(翻訳者:森晋太郎)
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