ピュー・リサーチ・センターが行った、トルコを含む15カ国での調査は、西洋とイスラム世界の間にある深い溝をあらわにした。「大きな隔絶」というタイトルの付けられたアンケート結果によれば、西洋人はイスラム教徒を「狂信的、暴力的、不寛容」と、イスラム教徒は西洋人を「不道徳、利己的、強欲」と考えている。わずかに「イスラム諸国は経済面でより繁栄すべきだ」という問いなどで両者の見解は一致したが、イスラム教徒が(経済発展の遅れの原因を)「西洋」に求めるのに対し、西洋人は「汚職や教育不足、原理主義的なイスラム」が原因と指摘している。
3月31日から5月14日の間1万4千人が参加し、イギリス、中国、エジプト、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、日本、ヨルダン、ナイジェリア、パキスタン、トルコ、ロシア、スペイン、アメリカ合衆国で行われた調査で明らかになった主な事柄は次のようなものである。
・トルコ人の69%が西洋人はわがまま、67%が横柄、70%が暴力的であると考えている。
・トルコ国民の59%、インドネシア国民の65%、イギリスに住むイスラム教徒の56%が、9.11事件をアラブ人が起こしたとは信じていない。
・イスラム教国の国民が、(デンマークで起こった)ムハンマドの風刺画事件について「不敬な西洋に」非があるとするのに対し、西洋の国民の大多数は「イスラム教徒の不寛容」が原因だと指摘している。トルコ人の84%が「西洋の不敬」を、8%が「イスラム教徒の不寛容」を原因に挙げている。
・西洋人とイスラム教徒の半数以上が「原理主義的なイスラムの高まり」を懸念しているが、トルコではこの割合は39%に留まった。
・西洋人とイスラム教徒は、互いに「女性に対する配慮の無い振る舞い」を非難しあっている。トルコでは、国民の42%が「西洋人は女性に敬意を払っている」としている。
・スペイン人の29%、ドイツ人の36%が、イスラム教徒を肯定的に見ている。フランス、イギリス、ロシアではこの割合は60%である。
・テロ攻撃の起こったイスラム教国では、「イスラムの名において自爆テロを行うことは法にかなっている」と言う人々の割合に減少が見られた。インドネシアでは71%、パキスタンでは69%、ヨルダンでは46%、トルコでは61%の国民が「テロ攻撃は決して合法とは思えない」と答えている。
・トルコでは15%、パキスタンでは6%の人々がユダヤ人を肯定視している。ドイツ、イギリス、スペインに住むイスラム教徒も、ユダヤ人に対して敵対的な傾向が強い。ユダヤ人を最も肯定的に見ているのは、71%でフランスに住むイスラム教徒である。
・西洋人は、イスラム社会で民主主義が発展するという問題に対し楽観的ではない。トルコでこの質問に肯定的な回答をした人の割合は44%である。
・最も穏健なイスラムはフランスの、最も過激なイスラムはイギリスのものである。
*ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center): アメリカの代表的な世論調査機関 (http://people-press.org/)
URL: http://www.radikal.com.tr/haber.php?haberno=191079
(翻訳者:古瀬 由加里)
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