■ 西岸とガザで爆撃・侵攻を継続
■ 抵抗諸派はイスラエル兵拉致のための合同部隊を組織、入植者を殺害したと声明
2006年06月30日付アル・アハラーム紙(エジプト)アラブ世界
【ガザ:アシュラフ・アブルホウル、諸通信社】
捕虜にされたイスラエル兵士を解放するようパレスチナ抵抗勢力に圧力をかけるため、イスラエル占領軍はハマース所属の閣僚と議員を拘束する作戦を決行した。
拘束されたのは8人の閣僚と21人の議員で、さらに西岸地区の様々な町村で数十人のハマース幹部が拘束された。
同じ頃、占領軍はガザ地区への軍事行動を継続し、拉致されたイスラエル兵士の殺害が公表された場合には、いかなる命令を受けたとしてもそれを遂行する、と発表した。一方、パレスチナ抵抗運動各派の軍事部門はイスラエル兵拉致のための合同部隊を組織し、イスラエルのオルメルト首相に対し、敵対行為をやめるよう警告した。
イスラエル占領軍はエルサレム県で昨日未明、パレスチナ閣僚ハーリド・アブー・アラファと、エルサレム県選出のムハンマド・アブータイル、ムハンマド・アトゥワーン、ワーイル・アル=フセイニーの議員3人を拘束した。
ラーマッラーでは閣僚や議員の宿舎として使われているホテルに占領軍が突入し、中にいたウマル・アブドゥッラーズィク財務相、サミール・アブーイーシャ計画相、ワスフィー・カバハー収監者担当相、ファフリー・トゥルクマーン社会問題相、イーサー・アル=ジャアバリー地域行政相の閣僚5人を拘束した。
ラーマッラー近郊の町ビールゼイトでは、占領軍の大部隊によってあちこちに検問が作られ、捜索が始められた後、最初に拘束されたのがムハンマド・アル=バルグーティ労相だった。
ベツレヘムではハマース所属の立法評議会議員、マフムード・アル=ハティーブとアンワル・ズブーンの二人が、それぞれアーイダ難民キャンプとベツレヘムのヒンダーザ地区の自宅を急襲され、拘束された。
カルキリアではカルキリア市長のワジーフ・カッワースと市議のハーシム・アル=ミスリーが市内の自宅で襲われて拘束され、同様にイマード・ノウファル議員も拘束された。
ヘブロン県ではワクフ相と地域行政相の2閣僚と立法評議会議員6人、さらには市民12人が拘束、トゥールカレムで議員2人、ジェニーンで議員4人と市長、ナーブルスでは議員3人に加えハマースの報道官が拘束された。
時を同じくして占領軍はガザ地区に対し陸と空からの攻撃を強め、爆撃と侵攻を継続し、「夏の雨」と名付けた軍事作戦の第二段階を開始した。
パレスチナ治安筋によれば、占領軍はガザ地区への攻撃を強め、昨日未明にはガザ北部に突入、ベイト・ハーヌーンの北と東にイスラエルの戦車が集結した。
目撃者によれば、ガザ市では昨日、アッバース大統領に所属する治安組織本部の一つの近くで爆発音が聞こえた。
またイスラエルの部隊は昨日、イスラーム聖戦(イスラミック・ジハード)の有力メンバーが乗っていた乗用車をガザ市内で空爆し、同じくイスラーム大学内の運動場を狙った爆撃も行った。
ハーン・ユーニスの東ではハマースの軍事部門であるイッズッディーン・アル=カッサーム軍団の指導者、ザキー・ダルディースの家が空爆され、同じくハーン・ユーニス東のアブサーン地区ではアブサーンとハーン・ユーニスを結ぶ幹線道路および、イッズッディーン・アル=カッサーム軍団とファタハ系のアブーリーシュ軍団の隣接する2拠点が空爆された。
またイスラエル側の言い分によれば拉致された兵士を解放するために、イスラエルの陸上部隊が侵入した地域での移動についてパレスチナ市民に警告を発するビラが、一昨日深夜、イスラエルの軍用機によってばら撒かれた。
一方、イスラエルのペレツ国防相は昨日、イスラエルにはガザ地区を再占領する意志は全く無く、この呪われた地で再び泥沼にはまり込むことは望まないと強調して「拉致されたジルアード・シャリット兵士を取り戻すことだけが攻撃の目的だ」と語った。
URL: http://www.tufs.ac.jp/common/prmeis/data/ahram/060630ahram_ky.mht
(翻訳者:山本薫 )
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