■ イスラエル政府、捕虜にされた兵士一人に対しハマース政府半数を拉致すると脅迫
■ ラファハとケレム・シャロームの両通行所間の5キロを占領
■ パレスチナ諸勢力、イスラエル生存を暗に認める捕虜憲章に合意
006年06月28日付アハラーム紙(エジプト)HP1面
【ガザ:アシュラフ・アブルホウル、エルサレム:諸通信社】
4度の空爆によってガザ地区を停電させた後、イスラエルは未明にガザ南部への陸上攻撃を開始した。イスラエルはすでに昨日朝よりガザ地区から数百メートルのところに戦車や砲兵隊を集結させ、同地区の陸・海・空を封鎖、アッバース大統領にもガザを立ち去ることを禁止していた。
同時にイスラエルは、ジルアード・シャリット兵士が拉致されたことへの報復としてハマース政府閣僚の半数を拉致すると脅迫し、危機解決のための外交努力に機会を与えなかった。
イスラエル・テレビが報じたところによると、イスラエル兵士解放のためのエジプトとフランスによる努力は、厳しい困難に直面している。
そして未明、イスラエルの陸上部隊がラファハとケレム・シャロームの両通行所に挟まれた地域に進入し、およそ5キロに及ぶその一体を軍事閉鎖地域として閉鎖、ガザの南部・中部・北部を結ぶ幹線道路を切断し、ガザ市に電力を供給している主要な変電施設を破壊した。また、南部の抵抗勢力に対しいかなる救援も届かないよう、沿岸部の道路を空爆した。
ライス米国務長官が危機解決のため、外交努力に機会を与えるよう求める中、ガザ地区は軍事兵舎へと変えられた。
そして昨日深夜、イスラエルの軍用機2機がガザ地区を空爆、一機はガザ中部とミグラーファ村を結ぶ橋を攻撃して村の主要な水道線を爆破した。またパレスチナ情報筋によれば、イスラエルのミサイルがガザ中部のハジャル・ディーク村を標的に発射された。
ガザ地区ではパレスチナ諸派の武装勢力が境界線に沿って展開し、イスラエル軍は進む先々で花ではなく、爆発物や殉教を恐れぬ戦士たち、RPG砲に出くわすことだろう、と脅した。
他方、パレスチナ人民抵抗委員会は昨日、拉致されたイスラエル兵士はイスラエル軍の手の届かない、安全な場所にいると述べた。
応酬がエスカレートする中、ベンヤミン・ベンエリエゼル国土基盤相は昨日、イスラエルはイスラエル兵士拉致への報復として、ハマース主導のパレスチナ政府閣僚の半数を拉致することが可能だ、との考えを明らかにした。
オルメルト首相は、拉致兵士の危機にもかかわらず、イスラエルはパレスチナとの交渉を継続すると明言しつつも、「兵士が帰還するまでガザ地区からの一切の出入りを認めない」と付け加えた。
一方、ファタハの報道官であるアハマド・アブドゥッラフマーンは危機解決のためのエジプトの努力は、その種のものとしては最大の努力の一つであり、このことはガザ地区に対するイスラエルの破壊的な敵対行為を許さないというエジプト指導部による熱意の表れだ、と述べた。
パレスチナ内部の動きとしては、イスラーム聖戦運動を除くパレスチナ諸勢力がイスラエルの存在を暗に承認する捕虜憲章に対し、最終的な合意に達した。この合意については数時間内にパレスチナ大統領に報告された後、公式に発表される。
URL: http://www.tufs.ac.jp/common/prmeis/data/ahram/060628ahram_kt.mht
(翻訳者:平寛多朗)
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