2006-08-09  イスラエル、リタニ川以南の動く標的はすべて爆撃すると威嚇(アル・アハラーム紙)

■ イスラエル、リタニ川以南は全て爆撃目標にすると威嚇。本日、地上作戦の今後を決定
■ イスラエル兵3名死亡、レバノン人1名死亡、34名負傷
■ ヒズブッラー、イスラエル北部に90発のミサイルを発射

【ベイルート:アハラーム支局、ワシントン:ハーリド・ダーウード、占領下エルサレム:諸通信社】

 イスラエルは一昨日、救援隊を例外として、リタニ川以南の地域で動く目標はすべて爆撃すると警告するビラを空から撒いた。同時に、レバノン南部のヒズブッラーの拠点を目標とした空爆と砲撃が続けられ、特にビント・ジュバイル周辺でイスラエル軍とヒズブッラー兵の間に激しい戦闘が行われた。それに対しヒズブッラー側はイスラエル北部に90発のミサイル砲を発射した。

 一方、停戦を求める米仏提出の決議案を今日明日にでも投票にかけるべく外交的努力が続けられる中、南レバノンにレバノン国軍1万5千人を展開させるというレバノン政府の決定は交渉の転換点となり、決議案の修正につながるかもしれないと西側の外交官達はみなしている。

 ボルトン米国連大使とドラサブリエール仏国連大使は、アラブ諸国が安保理に送ったアラブ使節団の見解を傾聴する準備があるとしつつも、現段階で決議案の文面に本質的な変更を加える可能性については留保を示した。
同じころ、ロシアの国連大使は、現在提出されている決議案はレバノンにとって有益でないため、ロシアは賛成しないと発表した。

 一方、イスラエルは今日、縮小治安閣議を開き、レバノン領内に20キロ入った地点にあるリタニ川まで地上作戦を拡大するか、もしくは現在いる地点にイスラエル軍を駐留させるかについての決定を行なう予定。

 イスラエルの戦闘機はレバノン南部の町々に対する空爆を強化し、ハイヤームに対するだけでも数十回の空爆が行われ、数百発の砲弾が着弾した。スールとナバティーヤの両市も空爆に晒され、マールーブでは三階建ての校舎が倒壊、南レバノン中部に位置するナークーラに近いガージヤ村に対するイスラエルのミサイル爆撃では6人のレバノン人が死亡、28人が負傷した。またベイルート南郊にあるシヤーフでは破壊された家々の瓦礫の下から17の死体が引き上げられた。
 同時に、イスラエル軍とヒズブッラー戦士との間で起こった戦闘で、イスラエル兵3名が死亡し6名が負傷した。イスラエル軍の報道官はここ数日間でヒズブッラー兵15人を殺害したと発表、他方レバノン側のレジスタンスはイスラエルの戦車を破壊したと伝えた。

URL: http://www.tufs.ac.jp/common/prmeis/data/ahram/060809ahram_kt.mht

(翻訳者:平寛多朗)

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