■海岸を覆う厚い原油の層
記事は、これまでに35トン近くの原油が海に流出したとみられ、東地中海での過去最大の汚染事故のひとつであると報じた。ガーディアン紙は、レバノンの観光施設が建ち並ぶ海岸が厚い原油の層に覆われたことを伝え、地中海では魚の産卵地域も汚染されたと述べた。記事では、汚染の影響が長さ80キロメートルの海岸線に及んでおり、対策が講じられなければキプロスやトルコの海岸にまで到達しうると警告した。
■支援の呼び掛け
また記事では、レバノン政府とシリア政府がヨルダン、クウェートやその他の国に汚染除去のための支援を求めたことも伝えた。ファイナンシャル・タイムズ紙も、空爆から3週間が経過したにもかかわらず、原油流出による汚染がいまだに広範な海岸地域に及んでいるという国連環境計画(UNEP)のアキム・シュタイナー事務局長のコメントを載せた。
■被害額は2億ドル
ファイナンシャル・タイムズ紙は、ガーディアン紙とは異なり、レバノンから流れ出た原油は推定1万5000トンであるとしている。記事では、シリアに流れ着いた汚染が阻止されなければ、トルコ、キプロス、さらにはギリシアにまで影響が出る可能性があると述べた。ファイナンシャル・タイムズ紙は、原油の流出によるレバノンの被害額は最低でも推定2億ドルであると伝えた。
■ヒズボラは石油化学施設を攻撃せず
イスラエルがレバノンの民間人居住地域を攻撃したにもかかわらず、ヒズボラは攻撃目標としたハイファとその周辺都市で主に軍事施設を攻撃している。本紙に語ったヒズボラ選出の国会議員アリ・ミクダットは、イスラエルが引き起こした環境破壊にもかかわらず、(ヒズボラは)民間人の犠牲者が出ないよう最大限の注意を払っていると述べた。ミクダットは、「やろうと思えば、イスラエルに非常に甚大な環境被害を与えることができたが、そうはしなかった」と話した。
URL: http://www.yenisafak.com.tr/arsiv/2006/agustos/06/d01.html
(翻訳者:井上さやか)
編集 ニュース一覧ヘ