【政治部】アーヤトッラー・ハーメネイー・イスラーム革命最高指導者閣下は、昨日正午、礼拝実施委員会関係者と会見し、礼拝は個人、及び国民一般の信仰心を支える基本的な柱であり、宗教社会を成り立たせるのに不可欠な要素であるとの見解を示した。最高指導者はその上で、クルアーンの章句及び無謬なるイマームたちのハディース(伝承)を引用し、「礼拝は、創造主への関心を維持するための礎であり、礼拝を行うことの価値を広め、高めるためにいくら努力したとしても、それで十分というようなことはない」と指摘した。
〔中略〕
革命最高指導者は、自らの発言の別の箇所で、ローマ法皇のイスラームに関する発言に深い懸念を表明し、この発言に対してイスラーム世界が示した正当な反応に触れ、次のように述べた。「この発言の第一の側面として、イスラームに対する誹謗を挙げることができる。しかしより重要なのは、ムスリムとキリスト教徒の間に宗教的な危機を作り出さんとする、世界支配を目論む者どもの政策に、この種の発言が一役買っている、というところにある」。
最高指導者はさらに次のように論じた。「イスラームが理性に何ら関心を有していないなどという非難は、太陽の光を否定するごとき馬鹿げたものである。なぜならば、クルアーンほど、理性的思考を強調した天啓の書は存在しないからである。イスラーム共同体の輝かしき科学文明は、理性的思考と科学、熟慮に対するイスラームの勧めにもとづいて構築されたものなのだ」。
ハーメネイー最高指導者はまた、イスラームのジハードに関して法皇が行った発言について、「イスラームのジハードについて理解もせずに、否定的に紹介するとは、まったく公正さを欠くことだ」とし、その上で「イスラームのジハードは、他者に考えを押し付けるためにあるのではない。そうではなく、人類を隷属状態に貶めている権力から、諸国民を解放せんとする闘争を意味する」と指摘した。
同師はまた、他の信仰を有している者に対して、ムスリムは敬意をもって接すべしとするクルアーンの章句、及びイマームたちの言述に触れ、「イスラームの見地から言えば、人間は人間であるがゆえに、正しく敬意をもって接せられるべき存在である。このようなクルアーンの章句が繰り返し述べられているにもかかわらず、イスラームは暴力的だなどと非難されている」と語った。
イスラーム革命最高指導者はその上で、次のように付け加えた。「法皇の極めて遺憾な発言で重要なのは、この種の発言の裏には強権的な植民地主義体制の政策が潜んでいる、ということだ。すなわち、宗教的な危機を煽り、さまざまな宗教の信徒たちを互いに対立させ、諸国民・諸宗教の信徒間の協力を阻害することに、手を貸してしまっている、ということである」。
ハーメネイー師は、ムスリムとキリスト教徒を反目させ、西洋に住む少数派のムスリムたちのイメージを悪化させ、テロを支援しているとの口実でイスラーム社会を弾圧しようとしているアメリカの企てに触れ、次のように指摘した。「世界の強権主義者たちは、国際社会での宗教対立を煽ることが、自らを生き長らえさせる方法だと考えている。法皇は自らの発言によって、事実上、これらの政策に加担しているのだ」。
ハーメネイー最高指導者はその上で、「もちろん、思うに、法皇はこのことについて騙されたのであり、この種の発言の裏にいかなる意図・目的が潜んでいるのかに、気が付いていないだけなのであろう」と述べた。
同師は、数年前にヨーロッパのある当局者と面会したことについて触れ、次のように述べた。「この人物は面会の中で、キリスト教徒とムスリムの間の戦争について触れた。当時、私はこの発言に大変驚いたものだが、ニューヨークのタワーで事件が起き、アメリカ大統領が十字軍戦争について発言し、その後イラクへの攻撃とともに米=シオニストの策謀が開始された時、イラク攻撃にも直接関わった先のヨーロッパ当局者が言っていたことの意味を、はっきりと理解した。つまり、強権的植民地主義体制の首領らは、前もって、この米=シオニストの陰謀の全体像について明示していた、ということがはっきりしたのだ」。
ハーメネイー師は、侮蔑的風刺画事件、および欧米の一部政治・プレス関係者のイスラームに対する侮辱的発言は十字軍戦争を引き起こそうとする陰謀の一環であったとの見解を示し、「法皇の発言は、このような出来事の最新の事例である」と述べた上で、次のように付け加えた。「われわれはブッシュに期待などしていない。というのも、彼は世界の掠奪的権力・企業のために働いているにすぎないからだ。しかし、高位のキリスト教指導者からこのような発言を聞くのは、大変残念であり、驚くべきことだ」。
ムスリムの指導者ハーメネイー師は、世界のムスリムに法皇の発言の裏に隠された政策への注意を喚起した上で、「この事件でも、大悪魔が役割を演じている。注意しなければならないのは、攻撃や抗議をする際には、法皇の正義にもとる発言から利益を得、それを利用して自らの強権的植民地主義政策を追求しようとしている者どもに対して行うべし、ということだ」と付け加えた。
〔後略〕
URL: http://www2.hamshahri.net/hamnews/1385/850628/news/siasi.htm#s14538
(翻訳者:斎藤正道)
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