2007年01月17日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)地方面
【アルビル:イラクの声通信】
モースル県の副知事は、クルド人を攻撃対象にしないと表明するビラを武装勢力がばら撒いたことを受けてクルド避難家族がモースル市に帰還しているとの情報を否定し、バグダードで導入が決定しているのと同様の治安計画をモースルにも適用するよう求めた。
クルディスタン民主党の第14支部長も務めるホスロー・クーラーン副知事は、「クルド人家族のモースルへの帰還について、われわれはなんら具体的な話を耳にしていない」と述べた上で、「武装勢力はモースルのクルド人を攻撃対象にしないという噂が広がったが、現実はまったくの反対だ。クルドの諸政党に対抗する声明が相変わらず出されており、われわれを攻撃している」と続けた。
同副知事はモースル市に帰還するクルド人家族はひとつもないと明言し、「モースルに移ってくるクルド人家族はもはや一組もいない。反対に市内からの流出は続いており、現在までに5万人のクルド人がドホークなどクルディスタン自治区の安全な地域に避難した」「避難の波はキリスト教徒やアラブ人家族にも及んでおり、彼らの多くがドホークやモースル市の入り口付近に住むことを余儀なくされている」と語った。
また副知事はモースル市に治安と安定を取り戻すために、バグダードへの導入が決定されているのと同様の治安計画を適用するよう要請し、「モースルはテロ行為を止めるために実効力のある治安計画を必要としている。テロに狙われているのはクルド人やアラブ人、キリスト教徒だけではない。モースルにいる少数のシーア派も迫害にさらされている」と語った。
ここ数日、クルディスタン自治区で発行されているいくつかのクルド紙が、クルド人はサッダーム・フセインの処刑に加わらなかったために攻撃対象にしないとする声明を武装勢力が市内で配ったことを受けてモースル市に帰還した複数のクルド避難家族について報じていた。
URL: http://www.tufs.ac.jp/common/prmeis/data/sabahjadid/070117sabahjadid_ky2.mht
(翻訳者:山本薫)
編集 ニュース一覧ヘ