首都アンカラで4月14日に「共和国ミーティング」の名の下で集会をおこない、大統領戦に影響力を行使しようと準備しているアタテュルク主義者思想協会に対し、大統領府から15万新トルコリラYTL(約1303万円)の献金が行われていたのが判明した。
同協会は、アンカラで「共和国ミーティング」の名で4月14日に大規模な集会を催す準備の最中にあるが、同協会の名称「アタテュルク」を不法に使用していることも判明した。内務省の監察官による調査により、1月末の臨時総会では(昨年7月に)会長に退役将軍のシェネル・エルイグルが選出されたことも協会の規則に反したものであったのが明らかとされた。
■大統領府事務総長からの献金
(押収され)調査された「アタテュルク主義者」思想協会の書類は、大統領選に影響力を行使しようとする協会に対し、アフメト・ネジュデト・セゼル大統領が大統領府より15万新トルコリラを超える献金を行っていたことも明るみにした。献金中10万新トルコリラ(約867万円)はここ7ヶ月以内に行われていた。最終献金5万新トルコリラ(約434万円)は2006年12月25日に大統領府事務総長によりおこなわれていた。憲法裁判所長官を務めている際に大統領に選出されたセゼル氏は、任期中全般にわたって、「法律家」として振る舞い、否認した何百もの法律や政令に説明書きを添えたことで批判されていた。
これほど法律問題に敏感なセゼル大統領が、一体どうして、名称と会長選出で不法に活動している協会に対し、これほど高額の献金をしたのかが気になるところである。1997年に施行された法律は、「アタテュルク」、「共和国」、「トルコ人」という名称の使用に公的認可を必要とした。当該協会は、この時以降、「アタテュルク主義者」という名称を登録しなかった故に、名称の不法使用が問題となるのである。法律に則していえば、今の名称は「思想協会」である。名称の不法使用故に、同協会は、罰金を受け悪用で起訴されることになろう。この間、エルイグル現会長が辞任し、新たに特別総会開催に向かうかが問題である。
■エルイグルがクーデターに関与との嫌疑
「アタテュルク主義者」思想協会会長のエルイグル氏は、ノクタ誌に先月掲載された「2004年に二つのクーデターを乗り切った」という冒頭記事で、「月光」「雌の子牛」という名の二つのクーデターを計画した人物として言及された。その当時、軍警察総司令官を務めていた同氏は、当時の(ヒルミー・オズキョク)参謀総長を凌駕し、現参謀総長ヤシャル・ビュユクアヌトをも妨害するよう努めて告発されている。
■欧州連合の基金からも資金援助受領
「月光」計画では、エルイグル氏は、公正発展党を政権から遠ざけ、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相の大統領選出阻止を目標としており、政府に反対する市民社会団体を活動させ、学生を街頭に繰り出させ、労働組合に行動を起こさせることを口にしている。同氏は、クーデターの対案として、セゼル氏の任期延長についても述べている。協会会長選出の際にエルイグル氏に反対した人物たちは、(元イスタンブル大学副学長)ヌル・セルテル教授とともに同氏が2004年に執行部にすわった現代教育財団が、欧州連合の基金から「ひと抱きの愛情」計画に7,1856ユーロ(約1146万円)、「生活振り返り」計画に49,8385ユーロ(約7946万円)の資金援助を受けたことを主張している。
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( 翻訳者:清水保尚 )
( 記事ID:10611 )