ドイツで火災、9人のトルコ人が焼死 -悲劇の原因は木造階段
2008年02月05日付 Milliyet 紙
ルートヴィヒスハーフェンで、トルコ人が多く住むビルで一昨夜発生した火災で、一家族8人を含む9人のトルコ人が死亡した。火災で、2人が重傷、60人が軽傷を負った。火災は、2階から発生し、ビル内にある木造階段が燃えたために部屋にいた人たちが逃げられなかったことが明らかにされた。火災発生原因は明らかになっていない。
ドイツのルートヴィヒスハーフェンで、トルコ人が多く住むビルで一昨夜発生した火災で、一家族8人を含む9人のトルコ人が死亡し、60人が軽傷を負った。負傷者のうち20人は治療中で、重傷の2人を除き回復していることが明らかになった。このビルの一階にはトルコ人協会もあり、ここに住むガズィアンテプ出身のカプラン家の子供5人を含む家族8人とオズカプル家の1人が火災で死亡したことがわかった。原因に関しての情報が開示されていない火災で、メディネ・カプランさん(48歳)、その娘のベルマ・オズカプルさん(22歳)、孫のイルヤス・チャウラルちゃん、妊娠中であったヒュルヤ・カプランさん(31歳)、その娘のカラフィルちゃん(4歳)、ディラーラちゃん(11歳)、ドネ・カプランさん(21歳)、その子供のキャーミルちゃん(3歳)、ケナンちゃん(2歳)が命を落とした。火災は2階から発生し、ビル内の木造階段が全焼したために部屋にいた人の逃げ道が閉ざされ死者の数が多くなったことが明らかになった。
■ 5000ユーロずつの見舞金
ルートヴィヒスハーフェンのエヴァ・ローセ市長は、第二次世界大戦以降でルートヴィヒスハーフェン市の歴史の中で最も大きなビル火災であると述べた。ローセ市長は、60人の負傷者には警察官11人、消防士1人も含まれることを述べた。ローセ市長は、火災は、市の中心部から並んで出発したカーニバルパレードが、このビルの前を通った後に起こったと述べた。親族を失った遺族に最初の段階で5000ユーロずつの見舞金を出すことを明かしたローセ市長は、「このお金は当座の生活資金として支給しました。遺族には支援を続けるつもりだ。」と述べた。ローセ市長は、火災で9人が亡くなったことに深い哀悼の意を示し、市のカーニバル団体もパフォーマンスを中止したことを明らかにした。
■ 消防士がビルに入れなかった
ピーター・フリードリッヒ消防局長も消防車が短時間にビルに到着し、梯子をつかい窓から中へ入り、ソファーの後ろにいた2人の子供を救出したと語った。ビルの階段が木造であり、完全に焼け落ちていたためビルの中へ入れなかったと述べたフリードリッヒ局長は、トルコ系の消防士が火災現場にいたイマームともにトルコ人家族を励ましていたことを述べた。あるトルコ人が、消防士をビル内には入れず、ビルに水もしくは泡をかけなかったと批判するのを受けて、フリードリッヒ局長は、水や泡は初期段階での極端な熱さで蒸発するとともに、ビルの中にいる大勢の人々が焼け死ぬ可能性があったと指摘した。火災現場で調査にあたったクルト・ベックSPD局長は、「火災は外国人排斥運動家らの仕業であるとはいえない」と述べた。こうしたなかドイツの火災現場の調査にトルコの専門家も参加するよう提案が出された。ベルリンのトルコ大使メフメト・アリ・イルチェリキ氏も今朝ルートヴィヒスハーフェンに出向き、遺族に見舞いをし、関係者と会う予定である。
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( 翻訳者:大田垣綾子 )
( 記事ID:13065 )