イスラエルがガザを空爆、死者200名以上の大惨事に
2008年12月28日付 Al-Ahram 紙
■ ガザでイスラエルが虐殺
■ イスラエルの空爆でパレスチナ人225人が死亡、403人が負傷
■ 児童の下校時と時間帯が重なる
■ エジプト大統領府が攻撃を非難、「死傷者を出した責任はイスラエル占領軍にある」
■ ムバーラク大統領、ラファハ通行所を通じて全負傷者を受け入れるよう指示
■ カイロでイスラエルによる虐殺を話し合う緊急アラブ外相会議を開催へ
■ エジプト外務省がイスラエル大使を呼び、攻撃を即時停止するよう通達
■ 攻撃停止に向け、国連、安保理、EUに電話連絡
2008年12月28日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【ガザ、占領下エルサレム、諸通信社】
Cast Lead(鋳造された鉛)作戦と名づけられたガザ地区に対する野蛮なイスラエルの攻撃で、急襲したイスラエルF16型戦闘機がハマースの治安拠点とされる複数のポイントにミサイル30発以上を同時かつ集中的に発射、それらのポイントは住宅密集地域に位置しており、子供たちの下校時間とも重なったため、225人が死亡、403人以上が負傷するという虐殺となった。死亡者の中にはタウフィーク・ジャバル警察長官も含まれる。
〔空爆された〕拠点とその周囲の家屋が火災にあったため、ガザはまるで黒い塊のようだ。子供たちを探して恐慌状態に陥った女性達の姿が見られ、救急車は死傷者を病院に搬送するために道を急ぐ。病院はベッドも通路も中庭も患者であふれ、20ヶ月に及ぶ封鎖のため、医療機器や装置は深刻に不足している。何十もの警察官の遺体が散乱し、瓦礫の下にはいまだ何十もの死傷者が埋まっている。
イスラエルのエフード・オルメルト首相は昨日、「ガザでの軍事作戦は、当分の間行われる」と荒々しく挑発し、同じくイスラエルのエフード・バラク国防相は「軍事作戦は事態の必要があれば延長される」と述べて、軍事作戦は容易でもなければ短くないと強調した。そして、「平穏な時もあれば戦いの時もある。今は戦闘の時がきたのだ」と続けた。またツィピ・リブニ外相は「イスラエルにとって唯一の選択肢だった」と攻撃を擁護した。
エフード・バラク国防相の補佐官は「イスラエルは攻撃をエスカレートさせる用意がある」と述べ、イスラエル軍報道官は、「指導部を含め、ハマースに関わるあらゆるものがイスラエルの標的となる」と述べた。
一方、〔ハマースの軍事部門〕カッサーム軍団は虐殺と同じ規模の激しい報復をすると威嚇し、「あらゆる選択肢が開かれた」として、即刻アシュケロンに向けてロケット弾数発を発射した。これによってネティボト村の家屋1軒にミサイルが着弾し、イスラエル人1人が死亡、4人が負傷した。
エジプトはこのイスラエルの攻撃に素早く反応し、大統領府がガザ地区に対するイスラエルの攻撃を非難する声明を出した。そしてイスラエルを占領軍とみなし、攻撃によって多数の死傷者を出した責任はイスラエルにあると述べた。
またホスニー・ムバーラク大統領がラファハ通行所を解放し、イスラエルの攻撃による負傷者全員を受け入れてエジプトの病院で必要な治療が受けさせるよう、緊急の指示を出した。
その間にもムバーラク大統領はサウジアラビアのアブドゥッラー・ブン・アブドゥルアズィーズ国王、ヨルダンのアブドゥッラー・ブン・アル=フサイン国王、カタールのハマド・ブン・ハリーファ・アール・サーニー首長、潘基文国連事務総長から電話を受け、イスラエルの攻撃を収拾するためのエジプトの努力が話し合われた。
エジプト外務省の公式報道官は「アフマド・アブルゲイト外相は在カイロ・イスラエル大使を呼んで、イスラエルの攻撃をエジプトは全面的に否定すると通達し、即時停止を求めた」と発表した。また在イスラエル・エジプト大使に、同じ通達をイスラエル外相に伝えるよう命じたという。続けて同報道官は、「外相は攻撃の即時停止のために国連の事務総長と、安全保障理事会理事長に緊急書簡を送り、国連、中東和平4者〔米・国連・EU・露〕、国連安保理常任理事国の外相たちが責任を果たすべきだとして、国連安保理に軍事行動を停止させる責任を引き受けるよう求めた」と述べた。
またエジプトとヨルダンの外相がこの数時間の間に、アラブ世界および国際社会のレベルで両国が取りうる方法を協議した模様。またアラブ連盟のアムル・ムーサー事務局長は、カイロで緊急アラブ外相会議が行われることに決まったと明言した。連盟筋の情報では、会議は水曜日に開かれる。
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( 翻訳者:平寛多朗 )
( 記事ID:15437 )