エルドアン首相、「イスラエルへもう一度、警告する」
2010年06月02日付 Zaman 紙

エルドアン首相は、国連安全保障理事会が示したロードマップに基づきイスラエルが拿捕した船の返還及び捕虜たちの至急解放を要求した。トルコは国連、NATO、EU,イスラム諸国会議機構及びアラブ連盟が求める国際法のあらゆる要件を満たしていると述べる首相は、採択された非難決議は支持されるべきだと主張した。今後の過程はイスラエルの行動が鍵となることに注目した。「我慢の限界を試すようなまねは止したほうがいいでしょう。トルコというのは、味方につければとても貴重ですが、敵にまわすととても厄介ですから。」

エルドアン首相はガザに向かう人道支援船を襲撃したイスラエルに辛辣なメッセージを伝えた。国会から全世界へ呼びかけたエルドアン首相は、冒頭で「今日は親愛なる我が国民だけではなく、全人類、そして人間の良心と理性に呼びかけたいと思います。」と言って始めた。血なまぐさい軍事作戦が処罰無しで見過ごされることはないことを強調するエルドアン首相の演説は英語とアラビア語に同時通訳されアル・ジャズィーラを筆頭に25ヶ国同時生中継された。

行なわれた血にまみれた攻撃を「どんな非難をされても仕方がないような大虐殺」として非難したエルドアン首相は国際社会に、イスラエルに向かって「いい加減にしろ」というよう呼びかけた。トルコがユダヤ人と歴史的な友情と協力関係を築いてきたことに言及し、そのことを思い起こさせたエルドアン首相は、流血沙汰の襲撃を引き起こした指導者たちについてイスラエル国民に苦言を呈した。この好戦的な人々は何らかの後ろ盾を得ている事に注意を促した首相は、イスラエルはすでに全世界で問題視されていると述べた。首相は「この襲撃は、国際法、世界平和及び国際連合の基本理念に対して行われた。(イスラエルは)代償を払うことになろう」と語った。攻撃を非難する国連に呼びかけたエルドアン首相は、決議を採択するだけでは充分でなはなく、最後まで決議を背負うことが必要であると述べた。この事件以降、もはやいかなる事情も昔みたいには行かないだろうと強調した。

イスラエルの「負傷者をトルコへ帰国させましょう」という申し出を「いえ、自国の負傷者を自分たちの機関で帰国させることくらい出来るのであなた方は手を出さないでください」と言って拒絶したことを説明したエルドアン首相は、イスラエル政府を今一度警告した。「トルコは、未熟な、安定していない国家ではありません。部族国家というのはさらに見当違いです。誰も私たちの忍耐力を試すようなことはしないように。トルコは同盟国をとても大切にするが、トルコを敵に回すとそれだけ大変なことになる。我々の友好関係を失うことそれ自体が大きな代償なのだ」

公正発展党の院内会合は、興奮した雰囲気の中で行われた。パレスチナのスカーフを巻いてやって来た議員も数名いたが、国会議員らはエルドアン首相の講演をしばしば拍手で中断させ、時に立ち上がって拍手する場面も見られた立ち上がって拍手する場面も見られた。ビュレント・アルンチュ副首相や他の議員が目に涙を浮かべていた姿が見受けられた。一方、公正発展党の院内会合が行われていた旧上院の議場には、2つ別々の通訳室が設置され、エルドアン首相の説明がアラビア語と英語で同時通訳された。外国の報道機関も高い関心を示した同会合は、海外の通信社やテレビで実況中継されたこともわかった。

エルドアン首相は会議でイスラエルに向かって、「我々との友好関係はとても貴重だが、敵に回したら大変なことになる」旨のメッセージを送った。

(後略)

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( 翻訳者:智原幸穂 )
( 記事ID:19312 )