リビアの秩序崩壊とアルジェリア国内のテロ事件との関係
2011年04月20日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ベルハーディム内相、アルジェリアでのテロ行為再発とリビア情勢悪化を関連づける
2011年4月20日『クドゥス・アラビー』
【アルジェ:UPI通信】
アルジェリアのアブドゥルアズィーズ・ブーテフリカ大統領の個人代表を務めるアブドゥルアズィーズ・ベルハーディム国務大臣は、15名の軍人が犠牲になった最近の武装集団による武力行為をリビアの危機的な情勢と関係付け、「こうした武力行為が再発したのはリビア軍がアルジェリア国境から撤退したために、武器の密輸行為の前に露骨に晒されているためである」との見解を示した。
同相は水曜日〔20日〕に声明の中で、「誰にもわからない方面に武器が手渡っていることがリビア情勢の不安定さに拍車をかけている」と述べ、そうした武器が「マグリブ・イスラーム国のアル=カーイダ(旧:布教と戦闘のためのサラフィスト集団)」の手に渡っている可能性を排除しなかった。
また、「人々の間で武器が監視の目もなく出回っている限りは、いかなる方面に使用されるのも当然である」という考えを示した。
火曜日〔19日〕に現地の報道が伝えたところによると、革命派とカッザーフィー軍との戦闘開始以降のリビアの治安情勢の混乱やそれに伴う兵舎や武器庫への攻撃によって、革命派かイスラームへの帰属が全面的に押し出されている戦闘集団の手によるかを問わず、2000万以上の様々な武器が拡散しているという。
リビア国家が治安面で崩壊したことで起こった無秩序な武器の拡散は、アルジェリアや地域の治安に深刻な危機をもたらしている。特に、元「テロリスト」らの告白は、リビアで90年代に国境の監視をかいくぐって金銭を見返りに「テロリスト」らの武器調達を精力的に行っていた従来からの密輸ネットワークの存在を裏付けている。
同報道は、複数の密輸ネットワークがリビアに一斉に拡散した武器の獲得競争にこぞって乗り出していると警告している。これらのネットワークは、獲得した武器を「テロリスト」集団に売りつけることによって巨額の金銭的利益を得ようと目論んでいるという。このことはリビアを「アルジェリアという腰回りに乗っかる弛んだ腹」へと変え、アルジェリア政府が前もって自国の内情に対して反動的な態度をとる方向に向かわせるような治安上の懸念を持ち込む要素となっている。
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( 翻訳者:秋山俊介 )
( 記事ID:22200 )