パレスチナ:イスラエルによるパレスチナ国家樹立妨害
2012年03月19日付 al-Quds al-Arabi 紙
■イスラエル、支援国に公式報告書を提出。パレスチナ当局(PA)の経済状況ではパレスチナ独立国家樹立はできないと主張。
2012年3月19日『クドゥス・アラビー』
【ナザレ:本紙・ズハイル・アンドラーウス】
月曜日[19日]ヘブライ語の新聞「マアリヴ」が明らかにしたことによると、ユダヤ人国家[イスラエル]は、パレスチナ人居住区における入植地建設の状況についての調査委員会を結成するという国際連合人権委員会(ジュネーブ)の決議を阻止努力している。同決議は月曜日に提案され、今週中に採決が行われる。
同紙は、イスラエルによるガザ地区攻撃を調査するゴールドストーン委員会の結成決議、イスラエルの司法制度を検討する委員会の結成決議、自由艦隊(=訳注2010年5月に封鎖されているガザ地区に援助物資を搬入しようとしたトルコ船にイスラエル軍が突入、10人以上を殺害した事件。)での虐殺調査委員会の結成決議を含む人権委員会によるこれまでの決議に言及し、これらの委員会が国際社会においてイスラエルに多大な損害をもたらしていると指摘した。
同紙は、パレスチナ側の措置は、イスラエルとPAとの交渉が政治的に停止し続けていることを背景にしたものであり、パレスチナ人が交渉への復帰を拒んでいると主張した。また、同紙は、パレスチナ側の措置を、アンマンで行われた交渉の失敗以来イスラエルに対して企てられた外交・司法キャンペーンの最初の措置であるとみなした。アンマンでの交渉とは、去る1月に行われた、成果なく終わった交渉のことである。
上記のことに関連して、パレスチナ人が彼らの国家が承認を得るために講じた努力と、そのような努力の範疇にふくまれることを妨害するための、すべての分野および水準におけるイスラエル政府の努力の一環として、昨日(19日)のマアリヴ紙の記事はユダヤ人国家[イスラエル]がパレスチナ支援国会議に報告書を提出する準備をしていることを明らかにした。同会議は、水曜日(21日)にブラッセルで開催予定である。イスラエルは、その報告書に於いてパレスチナ経済は充分安定してはおらず、パレスチナ独立国家の樹立を許す状況にはないとの見解を示している。
(後略)
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( 翻訳者:田中大樹 )
( 記事ID:25857 )