イラク:イスラーム国が奴隷制の復活を宣言
2014年10月17日付 al-Hayat 紙


■バグダーディーのイェニチェリ軍団…従順に育つ少年たち

【バグダード:マシュリク・アッバース】

「ダーイシュ」(イスラーム国)のカリフ、アブー・バクル・バグダーディー氏は、自らが支配する地域において、さまざまな可能性を手にしている。「ダーイシュ」の支配地域はシリアのラッカからイラクのファルージャに至る数千キロメートルに広がり、油田、武器庫、さらには銀行の資金を擁する。しかし彼のもつ真の財産とは、特別軍事拠点に「イェニチェリ」として集められた数千人の子供たちである。孤児や「捕虜」の子供も含め、彼らは数年後には破壊的な兵器となるだろう。

「ダーイシュ」はラッカ市で刊行されている自身の機関誌『ダービク』の最新号で「審判の日の前に奴隷制を復活」と題した記事を発表し、奴隷制の復活が宗教的に正当であることを説明し、ヤズィーディー派の女性・子供の捕虜を正当化した。記事の中では、以下のことを認めた。「イスラーム国は、大半のイスラーム法学者が多神教徒の取り扱い方として同意する方法で、ヤズィーディー派と取引を行っている…彼らを捕虜とし、5名の捕虜をイスラーム国の本部に送った後、ヤズィーディー派の女性と子供をスィンジャール作戦に参加したイスラーム国の戦闘員の間で分配した」。

さらに、「これほど多くの多神教徒の家族が捕虜とされたのは、この合法行為が廃止されて以来初めてのことであろう。捕虜とされたヤズィーディー派の家族は、現在はイスラーム国の兵士を通して売買されている」と付言した。

これらの「ダーイシュ」の説明に続き、モースルに住む目撃者が本紙に対して真実を明かした。彼らは、ダーイシュが数百名の少年や子供を市外の特別軍事訓練拠点に運んでいたと話した。少年と子供のほとんどは孤児であるが、家族から引き離された者もいたという。その目的は、少年・子供らを外界から隔離し、イェニチェリとして訓練することにある。

(後略)



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:前田悠作 )
( 記事ID:35590 )