シリア:イスラーム国、集団虐殺を実行
2014年11月17日付 al-Hayat 紙


■「ダーイシュ」(イスラーム国)は集団虐殺を開始

【ロンドン、ワシントン、ブリズベン(オーストラリア)、ベイルート:本紙、AFP、ロイター】

「イスラーム国」(ダーイシュ)は、人質となっていたアメリカ人ピーター・カシグ氏を殺害し、同時にシリア政府軍の兵士らや政権「支援者」の集団虐殺を開始したことを発表した。一方、バラク・オバマ米大統領は、「有志連合」が対「ダーイシュ」戦争においてバッシャール・アサド大統領との協力を拒否することを改めて強調し、アサド大統領との協力はスンナ派の「ダーイシュ」志向を強めることになると述べた。他方、「自由シリア軍」は、名士や宗教家らがシリア政権が生み出している「宗派争いの溝」を埋めようと努力していると指摘した。

「イスラーム国」が公開した15分間の処刑の動画の中では、覆面に黒服の男が足下に打ち捨てられた男の血まみれの頭を指さし、英語で「この者は米国人のピーター・エドワード・カシグだ」と述べたのち、オバマ大統領に対し、以下のように述べた。「お前らは4年前にイラクから撤退したと主張したが、当時われわれはお前らはうそをついており撤退していないと言った。もし撤退したとしても、いつしか戻って来るだろうと。現にお前たちは撤退せず、一部の部隊を手先の背後に隠した。そして残りの部隊を引き連れて撤退したが、さらに多くの部隊を連れて戻って来た」。

動画にはシリア政府軍のメンバーだという人物18名が「ダーイシュ」のメンバーによって殺害されるシーンも含まれていた。複数の写真の中では、茶色の軍服を着たダーイシュのメンバーらが、両手を縛られ、地面にひざまずく格好となった紺色の制服の男性らを虐殺していた。男性らは、アサド大統領が属するアラウィー派のことを指し、「ヌサイリー派政権の士官とパイロット」として紹介されていた。

一方、「シリア人権監視団」は、「ダーイシュはタバカ地域(北東部)において、政府を支援する国民防衛部隊に属するグループを組織したとの疑いで拘束していた男性13名を処刑した」と報じた。

(後略)



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:前田悠作 )
( 記事ID:35887 )