エジプト:シナイ半島の緩衝地帯拡大の見込み
2014年11月17日付 al-Quds al-Arabi 紙

■エジプト:緩衝地帯が1キロに拡大、ラファの住居数百が取り壊しの見込み

【カイロ:本紙】

複数のエジプト当局は、エジプトのシナイ半島の都市ラファとガザ地区の間の国境沿いに設置されている「緩衝地帯」を拡大すると発表した。この拡大により、緩衝地帯は現在の500メートルから1キロメートルの距離になる。エジプト国営通信が伝えた。

同通信は月曜(17日)、「ラファ付近の国境沿いの緩衝地帯が、現在の500メートルから1キロメートルの距離に拡大されることが決定された。これは、エジプト国家の安全を実現するためのもので、特に800~1,000メートルにわたる地下トンネルの発見を目的としたものである」と伝えた。この決定により、新たなトンネルの発見のため、少なくとも600軒の住居の取り壊しが爆破によってなされるとみられる。

先月24日には、何者からが北シナイ県(エジプト北東部)の軍事拠点を狙った攻撃を行い、政府が発表した数字によれば、31名が死亡、30名が負傷していた。このため、エジプトのアブドゥルファッターフ・スィースィー大統領は事件直後に3カ月間の非常事態宣言を発表し、北シナイ地域(同国北東部)における夜間の外出を禁止した。

複数の軍事アナリストは、国境沿いに緩衝地帯を設置したことにより、先月以来ラファ付近における大規模な攻撃の発生を防ぐことに成功しているとの見解を示した。一方、別の軍事アナリストは、シナイ半島に武装集団の拠点が存在し、アリーシュやシャイフ・ズワイドにおいて作戦が行われ、先週には少なくとも5名の兵士が死亡していることを鑑みれば、この政策の有用性を判断するには時期尚早であるとした。

(後略)



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:前田悠作 )
( 記事ID:35889 )