ガーズィアンテプにアジトで作戦中に所持していた爆弾を爆発させたISのいわゆる指導者ユヌス・ドゥルマズのコンピュータを取り調べたところ、トルコについてまとめられたレポートが発見された。ドゥルマズのレポートでは支部の支部の組織化に言及されており、アレヴィー派、社会主義者のクルド人、無神論者を危険分子として認定し、そしてPKKは、左派組織、労働組合と非ムスリムを標的にすれば組織の支持層を獲得できるだろうと述べられている。
■テロの標的
ドゥルマズの独房で押収された2台のノートパソコンの取り調べにおいて、ドゥルマズが作成したレポートがISの司令部に送信されていたことが判明した。レ ポートでドゥルマズがトルコで活動している宗教を根幹とするテロ組織、IBDA/C(大東方イスラム砲撃戦線)やヒズボラのような組織を調査し、「基本的にイスラムの支配体制を構築するために結成された組織はトルコで組織化する際に過ちを犯しており、政府と協力しようとしている。独立した支部を作 る代わりに自らを明るみに出し、組織のヒエラルキーを表ざたにしてしまうような間違いを犯していたのだ。ISはこの過ちに陥らずに、独立した支部を結成し、 聖戦士(組織のメンバ―)はお互い、連絡を取り合わずに活動する必要がある。」と述べられている。レポートではテロ攻撃が行われる標的、地点、地域 のアレヴィー派テュルクメン人やクルド人が暮らしている村の地図も載せられているという。特にHDPが多くの票を獲得した場所、基盤が強力である地域についての情報によりとともに、HDPのミーティング、集会や会議が詳細に追跡されていたことが注目されている。
■内戦、ISの利益に
レポートには19の県で26の場所を標的とした襲撃計画とこれらの場所についての下見情報も含まれている。このテロ攻撃によりトルコでアイデンティティの問題に起因するトルコ=クルド内戦とともに宗派の争いが勃発しうること、混沌とした状態が起こればISの強化の基盤が整うことが主張されていた。コンピュータにあるレポートでは57人のメンバーのリストが注目された。このレポートにはトルコが軍事作戦や襲撃によって最近ISを攻撃していると書かれているが、トルコがコバーニーでPKKを支援し、ISと開戦したこと、代償が払われる必要があると述べられていた。非ムスリム国として特徴づけられているトルコで兵士、治安部隊、政治、国際会議に対してのテロを起こすべきであり、国内で生み出された混沌によってISは勝利を手にすることが出来ると書かれていた。
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( 翻訳者:市野太音 )
( 記事ID:40689 )