イスラエル:北部の緊張とヒズブッラーの目的(2)
2023年07月14日付 al-Quds al-Arabi 紙
ヒズブッラーの構成員
■北部の緊張をイスラエルが読み解く:これこそが明かされていないヒズブッラーの目的だ
【ナザレ:本紙】
≪政治的挑発、軍事的目的、内部分裂の悪用≫
イェディオト・アハロノト紙のウェブサイト(Yネット)上で軍事アナリストのロン・ベン・イシャイ氏は、最近のヒズブッラーによる一連の挑発行為は、イスラエルの政治的危機による抑止力の喪失だけが原因ではないようだと語った。同氏は続けて、ヒズブッラーは最近のイスラエルの行動を弱腰と解釈する傾向があり、だからこそ最近増加しているヒズブッラー自身による挑発行為を容認しているのだと語った。そして、挑発行為の目的はイスラエル民衆の現政権に対する不信感を高めることであるようだと主張している。もちろん、こうしたことはすべてイランによって奨励され、またイランと協調して行われている。
さらに同氏は、2カ月前にヒズブッラーがイスラエル領内数十メートルに 「拠点」を設置し、レバノン国境沿いでヒズブッラーが主導して挑発行為を開始したのは、明らかに軍事的な目的があったとの考えを示した。同氏は、この緊張状態を次のように分析する。「イスラエル人の評価では、レバノンの内部にはいくつかの考慮すべき点ある。レバノンで続く政治的暗礁と経済危機によって、ナスルッラー師(ヒズブッラー書記長)はイスラエル軍との数日間続く戦闘に関心を持つようになった。彼はそれによってレバノンという舞台での自身の地位を向上させたいと考えているのだ。しかし様々な観点から、ナスルッラー師が今夏の初めに目的を達成することはイスラエルの利益にならない。ある高官筋はイェディオト・アハロノト紙に対し、ナスルッラー師を示唆して、「機は熟しており、遠い未来の話ではない」と語った。
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( 翻訳者:土屋伶斗 )
( 記事ID:55991 )