ベトナムは気候変動に効果的に対処できるのか
2013年06月05日付 VietnamPlus 紙
6月5日ハノイにおいて、資源・環境省は、モナシュ大学(オーストラリア)と共に、気候変動への対処を専門分野とする科学者や専門家を招いて「ベトナムの気候変動に効果的に対処する政策」という国際会議を開催した。
会議は、ベトナムの気候変動に対処する国家戦略プログラムをめぐって、出席者が意見を交換して議論し、適切な政策を提案するよい機会となった。
ベトナムは気候変動の影響が最も深刻な国の一つだとされている。最新のシナリオによると、21世紀末には全国の63省・直轄都市の年平均気温は 2.1度から3.3 度上昇するとされている。また、年間の総降水量と雨季の降水量は増加するのに対し、乾季の降水量は減少し、海面は1980-1990年の時期の平均より1m上がる可能性があるという。
もしそのように海面が上昇したら、メコンデルタの約40%、紅河デルタの 11%、その他の海岸地方の3%の面積が浸水し、ベトナムの人口の約10~12%が直接影響を受け、GDPの約10%に相当する損失を被るであろう。
ベトナムへの気候変動の影響はきわめて深刻であり、貧困撲滅の目標や国の堅実な発展といった長期的目標達成にとっての危機が目の前に迫っている。
ハノイでのプレゼンテーションで、資源・環境省のグエン・リン・ゴック次官は、気候変動が引き起こすかもしれない作用と共に、気候変動がもたらすかもしれないチャンスについても明確な意識をもつよう強調した。国際社会の積極的なサポートを受けて、ベトナム政府は気候変動に効果的に対処するための戦略的行動を迅速にとっている。
その中で、焦点となっている4つの問題は、自然災害、海面の上昇、安全な食品及び水の確保、社会的安全問題である。また、国の条件と堅実な発展目標に適合した温室効果ガス排出量に削減し、低炭素の方向で国の経済を発展させ、気候変動に関する共通意識を高めて管理能力を強化し、科学技術を発展させることである。
気候変動に関する活動で経験豊富な組織としてモナシュ大学の代表者は、地方やコミュニティに気候変動への対応力を強化するなど、気候変動に対処する適切な政策をベトナム政府が策定するのを手助けしたり、研究者が塩害に強い稲の品種を開発するのを支援したり、気候変動に対処するよう少数民族の人たちへの広報活動を強化したりするとしている。
今後、カウ川流域(ターイグエン省)が調査地に選定される見込みである。
( 翻訳者:小池優佳 )
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