仕事をもっている労働者の5割が都市部に移住へ
2013年06月20日付 VietnamPlus 紙
仕事をもちながらも移住を決意した人が移住労働者の5割を占めている、というのが現在の実態である。その主な原因は、地方での失業、仕事不足、低収入の状況が地方から移住する労働者を増加させる「推進力」をつくり出していたからである。
この数字は、労働・傷病兵・社会省と「WTO加盟後の技術援助プログラム」が6月20日に開催した「ベトナムがWTOに加盟した中での農村部から都市部や工業団地への労働者の移動状況」の研究成果報告会で発表された。
労働・傷病兵・社会省雇用局のグエン・ダイ・ドン局長は、移住労働者の8割が経済的な理由で移住しており、地方では雇用がなく、給与が低いのが主な理由となっていた。
グエン・ダイ・ドン局長によれば、農村部から都市部や工業団地への労働者の移住は、国家の計画に基づく移住プログラムに取って代わりつつあり、一家での移住も少なくなり、個人での移住が多くなっている。そのため個人の労働者移住集団を対象とした新たな政策・法律が求められている。
移住労働者についての概容を把握するため、労働・傷病兵・社会省雇用局は、農村部から都市部や工業団地への移住労働者の生活や仕事の実態を研究する調査を実施した。調査は移住労働者が多い15の省・中央直轄都市で実施され、移住労働者だけを対象とした政策・法律を早急に制定する必要性をあらためて浮き彫りにした。
また「農地を収用された労働者の雇用創出・職業訓練プラン」や労働者用の住宅政策のような移住労働者を対象とした政策が既にあるにもかかわらず、報告会に出席した専門家たちはこれらの政策を実行するのは困難であると考えていることが研究を進めていく中で明らかになった。
たとえば、住宅は労働者にとって最も切実な要求であるが、労働者と企業の両方の要求を両立させることのできる可能性はきわめて低い。住宅政策は、「住宅を建設する企業への優遇策がまだ十分ではない」、「企業の責任意識もまだ低い」、などの多くの障害にぶつかっている。
住宅に関する政策が実現できていないため、都市部や工業団地に移住する労働者は、仕事に対する長期的な見通しをもっていない。59.8%の移住者は仕事をしている地方に長期にわたって暮らすかどうか未定だとしており、定住するつもりだと答えたのはたったの7.5%だった。
「農地を収用された労働者に対する職業訓練プラン」でさえも多くの妨害にぶつかっている。これらの労働者は仕事を探すために移住せざるをえないが、移住先では職業訓練政策を受けることができない。なぜなら他の地方に移住した労働者は「プラン」の対象からはずれるからである。
調査結果によれば、66.1%の移住労働者は専門技術をもっておらず、大卒以上はたったの6.5%である。しかしながら44.7%の移住労働者は現在の仕事に習熟するために何らかの技能や専門知識をさらに学ぶことを必要とされていないので、職業訓練にそれほど「魅了」されておらず、「農村部労働者の職業訓練プラン」、「農地を収用された労働者の雇用創出と職業訓練プラン」のような非常に大きな「プラン」の対象者は少なくなっている。
グエン・ダイ・ドン局長の評価によれば、移住労働者を対象とする政策・法律が制定され始めてはいるが、これらの政策・法律はまだ不十分で統一されておらず、発生した問題を解決し労働者の権利を守るために、移住労働者問題はまだ所掌官庁に具体的に責任分担されるにはいたっていないという。
移住労働者の支援政策を策定するとともに、専門家たちは、現在、移住前の場所での「プッシュする力」が強い一方、移住先の「プルする力」も非常に強く、移住労働者の数は日増しに増加中だと見なしている。グエン・ダイ・ドン局長は、労働力のバランスをとるのには、移住労働者が激増する状況を鎮静化するように、地方に労働者を吸収する力をつくり出す政策を講じなければならないとしている。
( 翻訳者:今井昭夫 )
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