核兵器のない平和な世界のための日越懇談会
2013年07月24日付 VietnamPlus 紙

 日越外交関係樹立40周年(1973年9月21日~2013年9月21日)記念に際し、7月24日午後ダナン市において、越日友好協会や友好組織連合、ダナン市青年連合会、加えて同日朝にダナン市に寄港したばかりの日本のピースボートは、「核兵器や化学兵器のない平和な世界」のための懇談会を開催した。
 懇談会には、在ベトナム・ベネズエラ大使、ピースボート共同代表で「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」ディレクターの川崎哲氏をはじめ、ピースボートの乗客や原爆被害者などの日本人と共に、ダナン市の各機関、委員会、業界、団体や枯葉剤被害者とその家族たちも出席した。
 この懇談会は、ダナン市と日本の社会活動家や枯葉剤被害者、および枯葉剤被害者の平和と正義のために活動・闘争する専門機関が、戦争がもたらした苦しみを共に分かち合い、核兵器と化学兵器のない平和な世界を築くための闘争において互いに力を合わせるため、一堂に会して、意見交換をし、見聞し経験したことを共有する機会であった。
 同時にこの懇談会は、枯葉剤被害者のため、日越の友情のため、人類の平和のために協力・分担・活動するよう、ダナン市の青年の責任意識を向上させることにもなった。
 この懇談会において出席者は、核兵器と化学兵器を用いた戦争の後遺症に関するベトナムと日本の社会活動家たちの意見、現在の情勢における平和の重要性についての意見などを拝聴した。また戦争の苦しみを担わざるをえなかったベトナムの枯れ葉剤被害者と日本の原爆被害者の意見も拝聴した。
 被爆者のひとりで今年84歳になる淺見頼子さんによって、当時淺見さんが住んでいた広島市に原子爆弾が投下されたときに目撃したことや、その後の後遺症と挌闘してきた日々が語られると、懇談会に参加した人々は強い感銘を受けた。
 また枯れ葉剤の被害者で、現在ダナン市の「不幸な子供たちと枯れ葉剤被害者のための支援センター」で学び、生活しているホー・ティ・ランさんは苦痛と涙に満ちた彼女の幼少期の記憶を語った。
 懇談会の終わりに、「ダナン市の青年は、核兵器・化学兵器のない平和な世界のために、力を合わせて戦争の苦しみをなくしていく」という通告文がダナン市の青年すべてに送られた。
 現在ダナン市には約5,000人の枯葉剤被害者がおり、そのうち1,400人以上が子供である。多くの家庭は祖父母、父母、子・孫のいずれもが枯れ葉剤に汚染されている疑いがあり、多くの生まれてくる子供たちは戦争が何かも知らないのに、ダイオキシンの毒の後遺症を体内にすでに持っている。
 これまでダナン市の枯葉剤被害者の会は、地域社会において枯葉剤被害者の介抱や支援をし、リハビリを推進するよう社会に呼びかけ、会の3つの施設に枯葉剤被害者の子どもを集めてきた。
 ダナン市の枯葉剤被害者は常にピースボートから関心を払われ、援助をうけてきた。
 ピースボートは日本の国際交流NGOのひとつで、平和構築の旅行の主催を通し世界平和を推進することを目的として1983年に活動を開始した。ピースボートが世界一周旅行でダナンに寄港するのは今回が35回目である。

Tweet
シェア


 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:奥山貴子 )
( 記事ID:248 )