越米包括的パートナーシップの確立
2013年07月26日付 VietnamPlus 紙
7月25日、米ホワイトハウスにおいて、チュオン・タン・サン国家主席とバラク・オバマ米大統領との会談が行われた。オバマ大統領は、サン国家主席とベトナム国家のハイレベル代表団による公式訪米を歓迎した。また、同大統領は、越米関係重視の姿勢及び地域におけるベトナムの役割を確認すると同時に、今後、二国間関係を引き続き力強く発展させていくことを希望すると述べた。
オバマ大統領は、米国が、自国の総体的戦略において、アジア・太平洋地域、中でも目下形成されている地域の枠組み及びサブリージョナルの協力枠組みのなかで、ＡＳＥＡＮの中心的役割を引き続き重視すること、また、ＡＳＥＡＮ及び東北アジアにおける米国のパートナー諸国との関係を促進することを強調した。
サン国家主席は、このたびの米国公式訪問の招待につき、オバマ大統領へ感謝の意を伝えた。また、同国家主席は、ベトナムとして、米国が地域の平和、安定、繁栄のためアジア・太平洋との協力を強化していることを歓迎すると述べ、ベトナムも米国を重視し引き続き越米関係の促進を希望すると述べた。双方は、これまでに、多くの分野、二国間・多国間の両面において二国間関係が深化し広範に発展し、越米関係を新たな発展の段階に進めるための基盤が作られたとする評価で一致した。
こうした認識に基づき、両指導者は、国連憲章及び国際法を尊重すること、互いの政治体制、独立、自主及び領土の保全を尊重するとの各原則に立脚し、越米包括的パートナーシップを確立することを決定した。越米包括的パートナーシップにより、政治・外交、経済・貿易、科学・技術、教育・訓練育成、環境と医療、人道協力・戦後問題の解決、国防・安全保障、人権の保護と促進、文化・スポーツ・観光などを含む分野において二国間の協力関係のための新たな枠組みが作り出されるだろう。両指導者は、越米包括的パートナーシップが、二国の利益により良く資するのみならず、アジア・太平洋及び世界における平和、安定、協力と発展に寄与することを確信すると述べた。
また、サン国家主席とオバマ大統領は、ハイレベル訪問団による交流の強化、新たな協力枠組みの構築あるいは既存の枠組みのレベル引き上げなど、今後二国間関係をより一層深化させ、現実的かつ効果的にするための各種方策について、意見交換を行った。両指導者は、外相間の定期対話の枠組み構築を歓迎した。両指導者は、経済、貿易、投資の協力は、越米包括的パートナーシップの基盤であり原動力であると強調し、ＴＰＰに関し、平等かつ包括的な協定の枠組みの下で、それぞれの国の発展レベルの多様性を勘案しつつ、一年以内など最も早期にＴＰＰ交渉を妥結させることを確認した。
オバマ大統領は、ベトナムにおける経済のドイモイの成果を歓迎し、ＴＩＦＡ（貿易投資枠組み協定）、Ｅ３イニシアティブ（米国ＡＳＥＡＮ拡大経済取り決め）及びＡＰＥＣの枠組みを通じ、経済・貿易・投資の協力を強化することで一致するとともに、米国がベトナムを市場経済国に認定するかベトナムが関心を有していることを認めた。両指導者は、科学技術協力、とりわけ原子エネルギー、スペーステクノロジー及び海洋研究の分野における協力を促進することで一致した。また、両指導者は、教育、国防・安全保障、戦後問題解決のための人道協力を強力に推進すること、及びＡＰＥＣ、ＡＲＦ、ＥＡＳ、ＡＤＭＭ＋など国際及び地域のフォーラムにおいて協力を強化することでも一致した。
両指導者は、国連海洋法条約(UNCLOS)をはじめ国際法に見合ったかたちで、平和的手段による南シナ海における係争の解決を支持することを再確認した。また、両指導者は、海上と領土における係争解決のため、武力を使用しないあるいは武力による威嚇をしないとの原則を支持することも再確認した。両指導者は、ＡＳＥＡＮ・中国間の「南シナ海における関係国の行動宣言（ＤＯＣ）」を十分に遵守することの価値と、「南シナ海行動規範（ＣＯＣ）」策定のための交渉開始の重要性を強調した。
また、両指導者は、人権問題を含む、依然として相違のある若干の問題について意見交換も行い、こうした問題が良好に進展している両国関係に影響を及ぼすことのないよう、理解を深め、相違を縮めるため、建設的対話と相互尊重を引き続き承認することで一致した。
会談において、サン国家主席は、オバマ大統領に、1946年2月16日にホーチミン主席がハリー・トルーマン大統領へ送った手紙を紹介した。手紙の中で、ベトナムは、「完全な独立」を希望し、米国と「十分な協力」を結ぶ願望があることを表明した（手紙の原本は、現在、米国立公文書館に保存されている。）
今次会談の機会に、サン国家主席は、オバマ大統領夫妻に対し、適切な時期にベトナムを公式訪問するよう招聘し、同大統領は喜んでこれを受け入れた。
会談後、サン国家主席とオバマ大統領は、越米関係に関する共同宣言を発出した。
同日、米上院において、サン国家主席はパトリック・リーヒ上院議長代行と会見した。
同日夜、サン国家主席とベトナムのハイレベル代表団は、首都ワシントンを後にし、ニューヨークを訪問した。
（ 翻訳者:佐久間るみ子 ）
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