政府、地方の人民評議会や憲法改正草案について議論
2013年08月12日付 VietnamPlus 紙

 8月12日、グエン・タン・ズン首相主宰の下、政府は法律作成業務を専門テーマとする会合を開催した。
 それによれば、政府は、県(huyện)、区(quận)、街区(phường)の人民評議会を廃止する試験的実施の総括包括、1992年憲法改正草案(以下、「憲法改正草案」)の中の「第7章 政府」に関する政府の意見案、「第9章 地方政府」の内容に関する政府の提案報告などに関し検討を行なった。
 会合において、グエン・タイ・ビン内務大臣により述べられた人民評議会廃止の試験的実施の総括報告は、その実施が第10期5中総決議の精神に従っており、それ以前と比べ人民評議会のもっている機能と任務を弱めたり或いは失わせるものではなく、その結果は、国家の行政改革戦略の中で各レベルの地方政府の組織と活動を引き続き刷新し整備するための十分な論拠を供するものであったとした。
 ビン内務大臣によれば、4年余りにわたる人民評議会廃止の試験的実施を通して、地方における政治システムの組織と活動は依然として党の指導と各機関間の業務関係を担保しており、各レベルの政府機関の管理と運営の活動と地方における政治任務の実施は完全に把握され円滑かつ効果的で、同時に、行政改革の促進に伴い各レベルの国家行政機関のポータルサイト上で行政手続きが公開されていることで、国民がより早くアクセスすることが可能となり、地方政府をより身近かなものにすることに役立っている。
 しかし、人民評議会の廃止は県、区、街区で働く人々の心理、意欲に大きな影響を及ぼし、地方の人民評議会の位置づけに一定の程度の影響を及ぼし、人民評議会の活動に困難と問題を引き起こすとの意見がある。
 会合では、地方政府の組織モデルに関する提案について討論され集中的に意見発表が行われた。その中で、人民評議会廃止案を選択するとの観点を表明する多くの意見があった。
 それによれば、地方政府の組織モデルは現在の行政単位の画定に基づき設立され、人民評議会と人民委員会を含む地方政府は、省、中央直轄市(thành phố)、市(thị xã)、省直属市(thành phố)及び社(xã)・町(thị trấn)に組織されることが確認された。県、区、街区では、地方における行政管理と公共サービス提供の任務を実施するため、上級の国家行政機関の代理としての行政機関が設立される。
 また、人民評議会廃止案選択に際し、人民評議会を廃止するレベルの行政機関に対する上級(機関)による監査及び監察活動を強化し、県レベルにおける投資資金配分の不適合を克服し、機能と任務を良好に実現すべく上級レベルの人民評議会の人員を増員し、人民評議会を廃止するレベルに対する各組織団体の具体的な監察の枠組みを強化しなければならないことなどを求める意見もあった。
 その一方で、各政府閣僚は地方人民評議会、人民委員会および行政機関の地位とその組織と活動の質について、また、人民評議会を廃止する県、区、街区における政治システム刷新の足並みを揃えることについても議論を行った。
 憲法改正草案「第7章 政府」に関する政府の参加的意見草案報告案に関連し、各政府閣僚は議論を行い、(憲法改正草案の)第2条で確認された原則に沿って、政府が立法権と司法権をチェックできるよう憲法上の枠組みを作るため、幾つかの規定を補充するとの意見が寄せられ、行政区分を調整する権限、地方政府の活動にガイドラインを与え監査、検査を行う権限、地方政府が発出した文書の施行を停止し破棄する権限、憲法改正草案第95条の政府閣僚の勤務制度と責任制度などに関連する大きな問題が提出された。
 憲法改正草案の中の「第9章 地方政府」の内容に関し、政府が提出した報告について言及され、各政府閣僚は、人民評議会と人民委員会を含む地方政府の規定に関連した相違する意見―地方政府の組織、中央と地方の任務分担、人民委員会の形態、地方政府と祖国戦線・各政治社会組織の間の関係に関する規定に関連する意見など、残された若干の内容を明らかにすることに集中した。
 会合において、ズン首相は、地方政府モデルの確定は、人民評議会をどのように選びどのように活動を実施するかとの要素に極めて大きく依拠していると強調した。県、区、街区の人民評議会を廃止する提案をはじめ各種の提案は実践から得られた側面を総括し評価し、政府が提案(注:政府として提案する人民評議会廃止案のことを指すと見られる。)を選択し票決を行い完成させる前に、全国の省・中央直轄市の党委員会、人民評議会および人民委員会から意見聴取を行わねばならないと述べた。
 ズン首相は、とりわけ立法権、行政権および司法権などの施行に際する各国家機関との間の協力とチェックについて、政府の機能、任務、権限を明確にする必要があると留意した。ズン首相は、憲法改正草案の「第7条 政府」「第9条 地方政府」に関連する問題について、各々の政府閣僚からの意見聴取を行い票決するよう求めた。
 また会合において、政府は、特に個人、組織の権利と利益に直接関連する分野の通達及び合同通達の発出を集中的にチェックする枠組みを強化する方策に関する報告を聴取し議論を行なった。また複数の法案についても議論した。
 ズン首相は、各省庁、部門が法規範文書を発出する際、文書の質と合憲性、合法性および実現性を確保することに十分留意する必要があると述べると共に、各大臣、部門の長に対し、責任を果たすとの精神を高く掲げ、文書の作成過程において協力を強化し緊密かつ効果的に法律文書の監査、審査を実施するよう求めた。
 8月13日、政府は引き続き幾つかの法案について議論を行う予定である。

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( 翻訳者:佐久間るみ子 )
( 記事ID:278 )