「出稼ぎ労働者は外貨獲得の英雄」は口先だけのスローガン
2013年10月19日付 Kompas 紙
密輸業者に欺かれ、人里離れたリヤドとメッカの間の地域で途方に暮れる16名のインドネシア出身の家事使用人たち。
密輸業者に欺かれ、人里離れたリヤドとメッカの間の地域で途方に暮れる16名のインドネシア出身の家事使用人たち。

kompas.com配信
 国会第11委員会のメンバーであるインドラ議員は「インドネシア人出稼ぎ労働者(TKI)は外貨獲得の英雄」というスローガンは「ただ口先だけのもの」と評価した。同氏によると、インドネシア人海外出稼ぎ労働者に関する政府の方策はビジネスとしての重要性だけを参照し、海外にいる出稼ぎ労働者たちの保護を念頭に置いた努力はまだみられない。

 インドネシア人海外出稼ぎ労働者に関する数々の問題はもつれた糸のように解決が困難であり、これらはすべて、経済的、あるいは政治的な個人の利益を求めて同時に不正を行う者たちが大勢いることによって起きているとインドラ議員は説明した。
 
 同氏は去る10月18日、本紙の取材に対して「インドネシア人海外出稼ぎ労働者に関する一切の事柄は、頭のてっぺんから爪の先まで一切が売買される。あるのは保護ではなくひたすらビジネスだ」と答えた。
 
 福祉正義党に所属するインドラ氏は、インドネシアの出稼ぎ海外労働者が直面している問題は、現行の法規がまだ最大限の保護を与えきれないことに端を発していると強調した。海外で働くインドネシア人労働者の派遣と保護に関する2004年法律第39号は改正されるべきであり、真に彼らを守るルールを組み込まなくてはならないとしている。
 「移動労働者の保護はまだまだぜい弱だ。インドネシア人出稼ぎ労働者が外貨獲得の英雄というのはただ口先だけのスローガンにすぎない。これが問題の根源だ」と同氏は述べた。

 事実、海外のインドネシア人労働者に降りかかる問題は止むところを知らず、政府の対応は常に遅れがちだ。最近ではインドネシア出身の家事使用人16名がメッカとリヤドの間にある人里離れた地域で置き去りにされている。
 
 置き去りにされたインドネシア人出稼ぎ労働者の一人は、彼らは正式な在留許可を持っておらず、ある業者に欺かれたのだと述べた。その後、ひとりのサウジアラビア国籍者が彼らを保護し、現地の警察と連絡を取り、連れて行った。

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( 翻訳者:原澤美里 )
( 記事ID:332 )