海外で就労する女性たちの権利を守る
2013年10月24日付 VietnamPlus 紙
海外で就労する女性の権利の保護と海外での仕事を斡旋する企業の対処に関するシンポジウムが、ベトナム中部のダナン市で10月24日に開かれた。
このシンポジウムは、労働・傷病兵・社会問題省、ジェンダー平等と女性へのエンパワーメントに関する国連機関、国際労働機関、ベトナム労働力輸出協会が共催した。
シンポジウムは、ジェンダーに微妙に関わる海外での仕事の斡旋についての情報の共有や、海外で就労している女性労働者の権利を守るために国家・地域レベルでの協力経験の共有を促進することを目的としている。
今回のシンポジウムに参加した各組織の代表は、アジアにおける労働者の移住の傾向およびジェンダー平等と移住労働者の課題、企業が移住労働者を雇用し保護する役割を果たすように導く政策的枠組み、ジェンダーに微妙に関わる海外での仕事と移住女性労働者の権利保護の政策、移住女性労働者の保護に関する条約の履行をより徹底化するための手段などの主要テーマについて集中的に意見を交換した。
ベトナムは、アジア太平洋地域において海外で就労する人の数が年々増加傾向にある国である。現在、約50万人ものベトナム人が世界の40近くの国や地域で働いており、2006年からは、年平均で約7〜8万人もの人が海外で就労している。そのうちの30〜35%は女性である。
海外で働く女性労働者は、多くの地方において(とりわけ農村や山岳地方において)、家計を助け、生活水準を向上させるために大きな役割を担っている。しかしそれと同時に、女性労働者は男性よりも悪用される危険性が高いので(特に家事手伝いの様な特殊性を持つ仕事に就いている女性労働者)、ジェンダーに特化した保護が必要な対象でもある。
海外で就労している労働者の権利保護は、ベトナム政府によっても大きな関心が払われている。2007年、「契約に基づいて海外で就労するベトナム労働者法」が発効し、この分野での重要な法的根拠となっている。過去数年、ベトナムは労働者の権利を保護するために受け入れ国と積極的に協力してきた。同時に、「移住労働者の権利の保護と促進に関するASEAN宣言」実施において積極的なメンバーとなり、地域の国々と共に「移住労働者の権利の保護と促進に関するASEAN文書」の起草に参加している。
2009年より、労働・傷病兵・社会問題省は、ジェンダー平等と女性へのエンパワーメントに関する国連機関と連携して、「契約に基づいて海外で就労するベトナム人女性の権能を強める」プロジェクトを展開している。
プロジェクトは、海外での就労時の合法的な権利と利害に関して、女性労働者の認識を高めるのに役立っている。同時に女性労働者の状況を研究し、それを通じて、実践に適合した政策に改めるよう各種の提案・建議を行なっている。
ベトナム労働力輸出協会によれば、現在海外で就労している労働者の90%近くは斡旋企業を通している。そのためこれらの企業の活動は、移住労働者に関連する国際条約と国家の法律の遵守を通じた女性労働者の権利保護にとって重要な役割をもっている。
これまでベトナム労働力輸出協会は、海外で就労する際の技能を養成する教科書を編纂し、企業に提供している。労働者向けには各国の基本情報についての手引書を出版している。海外で就労する労働者を送り出す業務を行なっている企業向けには対処マニュアルを配布し、監督している。
( 翻訳者:伊牟田梨加、川野目明日香 )
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